「はやくその姿を解いて、元の宝石に戻るんだ」
───お前は・・───
「・・・君を造った・・スクライア族の・・人間だ・・」
───!!───
ダイムの右腕から光が失せる。フェイトもまた防御魔法を解き、荒い呼吸でユーノを見つめる。
────どういう、ことだ────
「君が・・・封印されたのは・・レイジングハートのせいなんかじゃない、レイジングハートが完成して、君が用なしになったからじゃない」
ダイムが封印された、本当の理由。
「君はもう・・君自身の力に耐えることができないんだ・・・」
ダイムが完成したのは、もうかなりの昔になる。それは当時のスクライア族の技術の結晶であり、その能力は現在の魔法具の中においてもトップクラスに値する。
そしてダイムは、スクライア族の皆のため、長年にわたって力をふるってきた。機体は次第に自らの持つ強大な魔力による侵食を受け、もはや稼動に耐えうる状態になくなっていた。
「君は・・十分、僕らスクライア族の力になってくれた」
このまま力を使い続ければ、いつか制御できなくなり、暴走。あるいは、完全に消滅してしまう。
「長老が言ってた・・・君の、そんな姿はみたくなかった、と」
そうなる前に、封印を施し、ずっとスクライア族のことを見守っていて欲しかった、と。
───・・・嘘───
「なのはを・・放して」
呆然とするダイム。これで、終わった───そこにいるだれもが、そう思った。