両手にかかっていた、締め付けるような圧迫感がすっと軽くなる。
フェイトは、恐る恐る、横に立ち自分と共に光弾を支える人物へと目を向けた。
「なの・・・は・・?」
傷だらけのなのはが、そこに立っていた。
シューティングモードのレイジングハートを構え、共にダイムの攻撃の威力を支えている。
「なのは!!意識が・・・!!」
「うん・・多分、もう・・・大丈夫。アルフさんが、魔力を分けてくれたから・・・」
「よかった・・・」
そこまで言ってもう一度なのはを見たフェイトは思わずハッとする。
たしかになのはの魔力は、完全ではないものの、ある程度回復している。
しかし。
なのはの状態が満身創痍であることに変わりはない。
現に、その両足はなのは自身の体重にがくがくと振るえ、
苦しげにあえぐような呼吸、痛みを堪える表情は、こうして立っているだけでも辛いということに他ならない。
まして、そんな状態で大技であるスターライトブレイカーを撃つなんて自殺行為に等しい。
「なのは!!その身体じゃ・・!!」
「大・・・丈夫・・・」
「だけど・・!!」
大丈夫、だから。
「フェイトちゃんと、二人でなら・・・」
───きっと、大丈夫。信じてるよ。だから、信じて。
なのはの目が、そう言っていた。
───わかった。
フェイトもまた、目で返事を返す。
「いこう、なのは」
「うん」
もう、これで終わらせる。
「「いっけえええーーーーっ!!!」」
結界が失われた以上、なのはの力を制限するものはない。
そして、声と共に重なり合った二人の力は、ダイムのそれを大きく上回っていた。
ファランクスシフトとスターライトブレイカー。二つの螺旋状に絡み合う光が光弾を、ダイムの身体もろとも飲み込んでいく。
「君を大切に想ってくれていた人達・・・君が大切に想っていた人達・・!!その思いのためにも・・今はもう、眠って・・・!!」