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[125]640 2005/05/09(月) 07:44:50 ID:5Ifr1gfD
[126]640 2005/05/09(月) 07:45:59 ID:5Ifr1gfD

She & Me 第二話 two hearts

 リンディからフェイト宛に指令書が送られてきたのは、二週間ほど前。
地球と、その周りの次元に強力な魔力反応を感知したので警戒するように、といった内容が、
養母─母親としての、娘を案じる個人的な手紙と共に同封されていた。クロノからの手紙も一緒だった。
今は地球からかなりはなれた次元での任務の最中で、まだしばらくはこちらに向かえそうにないこと、
それが終わり次第こちらに向かう旨が、クロノらしい、簡潔で丁寧な文章でまとめられていた。

それ以来。なのはとフェイトは出現するようになった異形と、力を合わせて戦っている。
原因は不明。ただ突然に現れ、本能のままに暴れていく。

(それにしても、数が多すぎる・・・)

これまで、二人が倒した数は合わせて50体以上。
正体も、目的もわからない敵との戦いに、二人の消耗は大きかった。

「フェイトちゃん、起きてる・・・?」
「なのは?・・うん、入って」
ドアが開くと、パジャマ姿のなのはが入ってきた。
眠いのか、しきりに目をこすっている。
「なのは、疲れてるなら寝たほうが」
「ううん、平気。・・ちょっと疲れてるけど、気になってることのほうが強いから」
ベッドに腰掛け、疲れてるのはフェイトちゃんもいっしょでしょ、となのはは続ける。

そう言われると、フェイトはなんだかすごく申し訳ない気持ちでいっぱいになってしまう。
手伝ってくれるのは嬉しいし、なのはのおかげでなんとか戦えているのも事実。
けれど、できることならば大切な友を巻き込みたくはない。これは、自分がやるべき仕事だから。こうやってなのはに大変な思いをさせたくはない。
きっとそんなことを言ったら、なのはは一人で抱え込むなと怒るだろうが。

「あの怪物さんたち、何なんだろうね、一体」
それは、フェイトにもわからない。わかっているのは、二つ。
「すごく・・高密度な魔力の塊。前に戦った・・傀儡兵のようなものじゃないかな・・。ジュエルシードの時とは・・・全然、違う・・」
なのはの肩のユーノも、フェイトの推測にうなずく。
そして、もうひとつは。
「だからかな・・・封印もできないし・・一発におもいっきり力を込めないと止められないのは」
「多分・・・。ロストロギアみたいなものが原因なら、封印できるはずだから」
怪物たちの持つ、その対魔法力がかなり高いということだけだった。
自然発生的なものなのか、あるいは人為的な何かによるものなのかすら、わからない。
その上破るためには普段以上に魔法に魔力を注がねばならない。フェイト達の消耗の原因は、その敵の数だけではなかった。
「兄さん達が・・早く来てくれるといいんだけど・・・」
「大丈夫」
「なのは・・・」
「私たちだけでも、大丈夫。それに、クロノ君やリンディさん達もお仕事が終わったらきっとすぐにきてくれるよ」
膝に置かれたフェイトの手を握り、元気付けるように言う。
「ユーノ君も、アルフさんだっているんだから」

そして微笑むなのはに、フェイトもまた静かに微笑みを返す。
「・・・うん」


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