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[155]640 2005/10/21(金) 19:17:52 ID:pDu96FOT
[156]640 2005/10/21(金) 19:19:35 ID:pDu96FOT
[157]640 2005/10/21(金) 19:20:27 ID:pDu96FOT


She & Me  第三十話 なのは対フェイト・後編

 ────まずい。このままじゃフェイトが。
バインドに捕らえられたフェイトの姿に、ユーノは支援へと向かうべく身構える。しかし。

(待って!!ユーノ!!)

「!!フェイト!?」

(まだ・・・まだやれる!!だから、手は・・・・)

「なっ・・・!?」
(大丈夫・・・だから!!)

なんという無茶を言うのだろう。スターライトブレイカーの威力はフェイトだって知っているはず。
まして今のなのはの魔力は、以前や普段とは比べ物にならない。ブレイカーの破壊力もかつてのものとは桁違いだろう。
このままでは間違いなくフェイトはその直撃を食らうというのに。

(けど・・・!!)
(お願い!!耐えてみせるから!!)

「っ・・・・・・・!!」
(ユーノ!!)

バインドから逃れようともがき続けるフェイトを見上げ、すぐに苦渋の表情で顔を逸らすユーノ。
訴えかけてくるように、フェイトがこちらを見ていて。

数瞬の後、折れるユーノ。上げかけていた手を、下ろす。
なのはといい、フェイトといい。どうして自分の周りの女の子は言い出すとこうも聞かないのだろう。
(・・・わかった)
(ありがとう・・・ユーノ)

───よし、あとは、耐え切るだけ。

信じてくれたユーノへと礼をいい、フェイトはなのはの攻撃を耐えるための準備───とはいっても先程思いついたばかりの手を───進める。

「バルディッシュ!!」
『phalanx shift』

「ファランクスシフト!?フェイト、まさか!?」

防御しても、ブレイカーには結界ごと打ち抜く能力がある。ならば。
(防御しても無駄・・・だったら!!)

ならば、真っ向から迎え撃ち、相殺するしかない。そしてフェイトの持つ魔法でそれが可能なのは────
「アルカス・・・クルタス・・・エイギアス・・・」
フォトンランサー・ファランクスシフト。フェイト最強のその魔法、一つだけ。

(本気なのか!?確かに方法はそれしかないだろうけど・・・!!)

スターライトブレイカーとて、一撃に込めることのできる魔力に限界はある。
その限界まで耐え切ることができればあるいは、フェイトにも勝機はあるかもしれない。
ただ防御に徹するよりもその可能性は高いだろう。

(けど・・・こんな賭け・・・!!)
分が悪すぎる。1%が2%になったところで、ほとんど望みが無いのと一緒だ。
ぶつかり合いを選ぶには、魔力の差が大きすぎる。

「来る!!」
フェイトを屠り去るべく、ついに閃光が放たれる。
迫り来る壁のような魔力の噴流をじっと見据え、フェイトも組み上げた魔法を発動させた。

「フォトンランサー・ファランクスシフト・・・・ファイア!!」

一撃の破壊力と、手数。方法は違えど目指すところは同じ、一撃必殺の魔法。
二人の戦闘スタイルのように対照的な二つの魔法が、ぶつかり合う。
その瞬間を狙って。
(・・・ここ!!!)

「バルディッシュ!!」
『yes,sir』
「!!」
セイバーブラストの応用───ブレイカーへの接触と同時に、ランサーが爆発する。
化け物じみた今のなのはの魔力に、ただ闇雲に真っ向からぶつかっていこうというわけではない。
ランサーそのものの威力と、爆発の威力。その両方をもってブレイカーを相殺する、二段構えの作戦だった。

「は、あああああああっ!!!」
「・・・・!!!」

だが。
それでもブレイカーを止めるには、とても足りない。
ランサーが、その爆発が、光の柱に飲み込まれていく。

そして、拘束され身動きのとれないフェイトもまた、ブレイカーの光の中へと消えていく。
「フェイトォッ!!」

完全に、直撃コースだった。
自陣要塞内部での戦いであり、目的が捕獲である以上魔力流と衝撃による昏倒を狙った非殺傷設定にはしてあるだろう。
しかしこれほどの威力、無事で済むはずがない。落下してくるであろうフェイトを受け止めるべく、
ユーノは眩い光の中、必死でその姿を探した。
ようやく、ブレイカーの光が消える。
視界が晴れたその先。フェイトの捕らえられていたその位置には。

────ボロ布同然と化した、フェイトのマントが漂っているだけだった。

「!?」

───どこに!?

なのはもユーノも、見失ったフェイトの姿を探し辺りを見回す。
一体、どこに。


『photon lancer』
「!!」
上空を見上げたなのはの頬を、光の槍が掠める。



時が、止まった。



ほんの数秒間の沈黙が、見ているユーノには異様なほど長く感じられた。

なのはは、その姿勢のまま。
一方ボロボロのフェイトは、その拳をなのはの胸の中心──丁度心臓の辺りにつきつけた状態で。
二人とも、微動だにしなかった。




・・・そしてゆっくりと、二人の間に流れる時が動き出す。
ぐらりと揺れたなのはの体が、前のめりに傾いて。
離さぬように、二度と奪われないように。勝者となった少女は、それを抱き締めるように受け止めた。


───そう。
なのはが囮のフォトンランサーに気をとられた瞬間。
ブリッツアクションで近づいたフェイトの一撃が、彼女を操る術式を、完全に撃ち抜いていた。


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