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[160]176 2006/01/07(土) 03:35:58 ID:G5TEnCwr
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彼女の守り手 25 二人、結ばれて

 二人の呼吸だけが取り残された部屋。なのはに覆い被さって僕は何度も口付けする。
 額、瞼、頬、首筋、また頬に戻って唇……。
「なんだかくすぐったい……」
 堪えるような声が囁かれる。繋いでいる右手が僕のキスに合わせて僅かに握り返した。
「ごめん……僕も見よう見まねだから」
 囁き返して耳に唇を這わせる。
「ひゃっ!?」
 一際強く手が握られた。
 白状してしまうと、僕の頭の中にあるこういう知識はほとんどない。一つは治癒魔法のために読んだ医学書。少しの好奇心が女体について事細かに記されている所まで見て女性というものが男性とどれほど違うか学んだ。
 もう一つは、多分これが今の僕を突き動かし続ける知識。
 僕の部族は上から下まで幅広い年齢の男女がいる。それだけ出会いと別れがあり、当然の部族の人同士で恋に落ちる、なんてこともある。
「ユーノく……ん……ぁ」
 今度は舌先で少しだけなのはの唇をなぞった。突然の奇襲に驚いた口内へ僕は一気に舌を潜り込ませた。
 簡単に言えば、僕はその人たちの情事を見て実践的な知識を蓄えていた。一応言っておくと自分から見たわけじゃない。年上の仲間に誘われて何が何だかわからないうちに見てしまったのだ。
 最初は変身魔法を使って物陰からこっそりと。二度目は僕らに手ほどきという名目でしている人たち公認の観覧。あの時はすごかった。
 三度目は発掘に行った遺跡で事に励んでいる二人を興味で見てしまって……。
 そういえば僕がジュエルシードを見つけた発掘場所。あそこに行くため部族から一時別れた時その相手の女の人のお腹が膨らんでいたっけ。嬉しそうに双子だって言っていたのが記憶に残ってる。
「んぅ……ぁ……ひゅーの……くぅ……」
「なの……は…………ん」
 僕に与えられた知識はこれだけしかない。つまりは手元にあるこれだけでなのはとこれからの行為をするのだ。後はこの知識を応用したり組み合わせたりで頑張る以外ない。
 なのはの舌先をくすぐり歯や歯茎も残さず嘗め回していく。最初はされるままだったなのはも僕ので要領がわかってきたのか段々と積極的に舌を絡ませ始めてきた。
 そのおかげか、拙かった動きが段々と滑らかになっていく。唇を舐められるとすごくこそばゆい。なのはにやり返すとさらに舐め返してくる。
 舌と舌がじゃれ合い、唾液が混ざり合い、厭らしい二重奏が空気に響いていく。
 どれくらい時間が経ったか、顎が疲れてきて僕は顔を離した。舌先に橋が架かり、名残惜しそうに切れた。
「なんだか……気持ちよかった」
 夢心地ななのははなんだろうかいつもと違ってすごくドキドキさせられる。女性の魅力とでも言うのかかうまく言葉に出来ない。
 半開きの口から漏れる吐息はまだ乱れてて、とろんとした目は何か物欲しそうに僕を見つめているように見えた。悔しいけどこれじゃ一目で魅了されるほかなかった。
「次行くよ」
 そっと手を添えたのはなのはの左胸。何度か上下に摩ると何か突起みたいなものが手に当たるの分かる。
「やっ……ゆーのくん」
「なのは、脱がせていい?」
 僕はなのはの答えを待たずに上着を捲り上げていく。最初にへそが顔を出し、次にはもう胸が露になった。
「そういえばユーノくん」
「な、なに?」
「温泉の時見たよね?」
 あの時はまだなのはも僕が本当は人間だったことを知らなかったからものすごく無防備だった。そせいで僕は思いっきりなのはの裸を見てしまって……上だけだったといっても、見てしまった事に変わりはない。
「……あの時はいろいろごめん」
「ううん、もう見られてもいいから、いいの」
 なのはが微笑んだ。
 まだ全然、熟れ始めてもいない青い果実。きっとこれから熟れ始めることを待ち遠しくしている胸。小さく上下するお腹は白く綺麗で今すぐにでも触りたい。
 僕に見られてることを恥ずかしく思ったのかなのはがそっぽを向いた。
「あんまりじろじろ見ないで……」
「ご、ごめん。綺麗だったから」
 見て駄目なら触るしかない。さっきは服越しだったけど今度は直接、両胸に手を置いた。
(これが女の子の肌……なんだ)
 滑らかですべすべで、少しだけ汗ばんでしっとりしてる。僕の手のひらに包まれた胸はかすかな膨らみを僕に教えてくれた。
 すごく早い鼓動。それだけでなのはがどれだけ緊張しているか、恥ずかしがっているかわかる気がした。
 意を決して手を動かし始める。
「ん……」
 堪えるような声をまたなのはが漏らした。
 最初は上下に摩って、慣れてきたら円を描くように触る。手を離すと、桜色の蕾が切なげに自己主張をしている。
(えっと、これを……)
「え? あっ、ユーノくん……?」
「驚いたらごめんね」
 僕はそっとそれに口付け、舌先で挨拶をした。
「な、なにすっ!? やぁ!」
 なのはが今までにない感触に大きく震えた。
 味も何もしないけど、何だか心地よい。舐めていたのはいつしかしゃぶるようになってなのはの胸に
顔を埋めていた。
「だ、だめ! ユーノくぅん……ん、あぁ」
 小さく呻いてなのはが何度か身をよじる。でも僕は離さない。口を離すと今度はもう片方の蕾を餌食にする。もちろん空いた手で濡れた蕾を弄るのも忘れない。
 口とは違って指ではいろんことが出来る。最初は優しく指の腹で撫でた後に押してみたり、円を描いてみたり。時には強く押しつぶしてみたり、僕の気ままに形を変える。
「あぅ……ひっ! んぅ……赤ちゃ、ん……みたいだよ」
 そうかもしれない。僕は乳を欲しがる赤子になっている。母親の面影をそこに求めているのだろう。舌の動きはとても赤ん坊のものじゃないけれど。
 優しく、時に激しく舌で蕾を転がして舌先で突いてみてなのはの様子を見てみたり。その度になのはの体は跳ねたりよじったりした。
「気持ちいいの……なのは?」
「わかんない……でも体がぽかぽかして……ん! 喋ってる時は触らないでぇ」
「なのはが可愛すぎるのが悪いんだよ」
「そんなの知らない!」
(……ほんとに可愛すぎる)
 十分に蕾を味わったら今度はなのはの唇が懐かしくなった。
 なのはとまた深く口付けを交わす間に支えにしていた手でお腹に触れる。キスに夢中だったなのはの舌がほんの一瞬だけ止まった。
 それでも僕に弱みを見せたくないのかすぐに激しく舌を絡め始める。その間にも僕の手はへそをなぞりさらに下の、まだ見ぬ秘境へと侵攻していく。
「っ! そ、そこはだっ、んーっ!」
 言わせない。止めさせない。
 舌を押し込み口を口でもって塞ぐ。指先に布の感触。するりと中に忍び込ませていく。
「はぁっ! う! んぅぅ!!」
 なのはの反応一つ一つが麻薬みたいで、頭の中がくらくらして考える力を奪い取っていく。見えないから感触だけで指先を進めるけど、どうにもどこで止めていいかわからない。
 思い切って手を進める。だけど以外に終わりは早くやってきて
「あ、やぁ!!」
 なのはが今までにないくらい大きく跳ね上がった。
 僕の手のひらはなだらかな傾斜全てをすっぽり収めていてなのはのそこを大胆に捕らえていた。
「あっ、ごめん!」
 やり過ぎた。慌ててそこから手を引っ込めた。何かが湿ったものが指先に触れた。
「ふぅぁ……」
 空気が抜けていくような、弱々しい声をなのはがあげる。
 指先をこすると、僅かだけど湿っていてぬるりとした感触が広がる。
「ひどい……ひどいよ」
「ほんとにごめん……」
 肩で息をするなのはに僕は今更ながらに反省した。
 上と下、同時の拷問はなのはに強すぎた。
「ユーノくんばっかり……一人でずるいよ」
「……うん」
「だからユーノくんも脱ごう」
「……え?」
 どうにか起き上がったなのはが僕の上着に手をかけていた。乱れた着衣と惚けた表情はそれだけで扇情的だ。
「ユーノくんも裸になって……」
「そうだね……フェアじゃないもんね」
 そう僕はなのはと一緒に絆を作っているんだ。僕一人だけじゃない、なのはも一緒にしなきゃ駄目だ。
 僕は上着に手を掛け一気に脱ぎ捨てた。
「なのは……お互い向こう向こうか?」
「そうだね……いきなりはちょっと……ね」
 ベッドの上で僕らは背中合わせになる。後ろから衣ずれの音がせわしなく聞こえた。僕もおちおちしないで下も一気に脱いだ。絨毯の上に放られる僕の服。
「そっかレイジングハート……ごめんね、恥ずかしいから」
『…………All light』
「……うん」
 そういえばレイジングハートはずっとなのはの首に架かったままだったのか。服を捲り上げた時に一緒に隠れてたせいで全然気づかなかった。
「なのは……いい?」
「ま、待って……心の準備が……」
 荒い息遣いが聞こえる。深呼吸のつもりなのだろうか。
「……いちにのさんで一緒に向こう」
「うん、いいよ」
「じゃあいち……にの…………さん!」
 振り向きそこになのは。 
 一糸纏わぬ生まれたままの姿。その姿でなのはが目の前にいた。
「きゃっ!?」
 なのはが突然悲鳴を上げた。仰け反った拍子に僕の目になのはの女の子が思いっ切り映りこむ。
「ゆ、ユーノくんの、お、おちんちん……」
 指差しなのはが焦っていた。
「もしかしてこういうの見るの初めて……?」
 てっきり士郎さんや恭也さんのを見ていると思ったんだけど。
「だ、だってお父さんもお兄ちゃんもそんなに大きくないよぉ」
 そ、そうか……こんなになってるわけないもんね。
 天井目指して立ち上がる僕の性器。今まで散々なのはの嬌声を聞いてきたせいですっかり興奮してしまった。
「その、男性は興奮するとこうなるんだ」
「そ、そうなの?」
「うん」 
 取りあえずの説明でなのはは納得してくれたみたいだ。
「えと……さっきのお返しで触ってもいい?」
「……うん、いいよ」
 今度はなのはの番。触りやすいように立ち膝になる僕になのはは横から覗き込むように僕のものを見つめる。
「すごい……」
「多分士郎さんや恭也さんの方がすごいと思うよ」
 あの二人ならきっと想像も出来ないくらい立派なものを持っているはずだ。
 なのはは興味心身に僕のを見て聞いてないみたいだけど。
「硬いのかな……」
 おぼつかない手つきでなのはが僕のものを掴んだ。そして
「いっ!」
 いきなりぎゅっと力を込めた。
「えっ? あっ、ごめん! 痛かった?」
「ここ、デリケートなんだ……」
「そうなんだ」
 一応ここは男最大の急所です。いつもレイジングハートを振り回してるだけあって握力も強かったのが余計に痛みを倍増させたみたいだ。
「気をつけるね……」
「そうしてくれるとありがたいよ」
 ゆっくりと腰を下ろす。またなのはのそこが見えてしまった。
「じゃあ今度は僕が……」
 両肩からまたベッドへなのはを押し倒す。さっきとは違って何も身に着けてないからかなのはの体はまた小さく見えた。
「な、なにするの?」
「なのはのが見てみたい」
「そ、それは――」
 なのはが答えるより早く僕はそこにもう一度手を伸ばす。
 最初に触ったときに一番に思ったことは、本当にないんだという驚きだった。
 そこに男のようなものは一切なくて、ただ一筋の裂があるだけで、そのまま手を伸ばせばおしりさえ触れてしまう。
「やっ……やぁ……」
 なのはの声がとろけていく。快感でそうなっているのか、はたまたまだ自覚のない未知の感覚で酔っているのかは聞いてみないと分からないけど。
 胸のように乱暴にはしない。勤めて優しく、僕はそこを触っていく。
「なんだろう……よくわかんないけど……気持ちいのかな……? ……ん」
 少し湿り気を帯びて何かが指にまとわりつく。それがまた潤滑剤となって指の動きをスムーズしていく。
 触りながらまた胸にキスをして空いた手で片方も弄って。考えうるもの全てを総動員させていく。
「あ……あぁ…………は、うぅ! ゆーの……ゆーのくぅん」
 子犬のように切なげに鳴くなのはに僕は愛おしさがこみ上げる。堪らず唇を奪った。
「んぁ……はぁ……うっ、ふ……」
 中指が液に塗れる頃、僕はようやく左手を解放した。別に終わりというわけでない。
「え……ゆーの……くん?」
「もっと見たい」
 辿りつく場所はなのはの股。なのはを少しだけベッドの端に寄せそこへと回りこむ。
 なのはも僕の意図がわかったのだろう。足を閉じて抵抗しようとするけど時既に遅し、僕はなのはの足を押さえつけてなのはの女性に辿りついた。
「こうなってるんだ……なのはのここ」
「だから……見ないで……」
 抗議の声にも耳を貸さないで僕は凝視し続ける。完全に閉じたように見えたそこは今までのせいか少しだけ開いており粘液に塗れててかっていた。
 もっと見たい。欲望に、探究心に誘われるまま僕はそこをゆっくりと開いた。
「や、やだ! ユーノくん!」
 聞こえない。聞こえない振り。
 僕を最初に歓迎するのは薄紅色の肉壁。肉厚で見た雄を惹きつけて離さないような魔力が宿っていそうな色。哀れな虫を引き寄せる妖艶な花。
 それはとても魅力的で神秘的で、それこそ言葉が出ない。
 裂の一番上は少し膨らんでいて見た目では皮が被っているような感じ。そこから下に行くと襞に挟まれた中に小さな窄まりがある。
(ここ……かな?)
 記憶の中じゃ仲間はここに自分のものを押し込んでいた。医学書にもここに入れると記してあったから間違いはない。
(でも入るのかな……?)
 どう見ても穴とは呼びにくい窄まりだ。こんな所にはたして僕のが入ることが出来るんだろうか?
 成熟しないと開通しない……そんなこと書いてもないし、聞いてもいない。
「ず、ずるいよ……ユーノくんばっかり……」
 頭の上から諦めたような呟きが聞こえた。いけない、見るのに夢中でなのはのことを置いてけぼりにしていた。
(じゃあこうしたらどうなんだろう?)
 いい事を思いついた、と言うべきか。僕はなのはを少し驚かせてみようと思った。
 ゆっくり舌を伸ばす。裂の一番下を始点に、僕は一気にそこを舐め上げた。
「――っぁ! ゃ!!」
 声にならない悲鳴が聞こえた。
「いま……な、なにしたの? ねぇ……ゆーのっ! くっん!!」
 もう一度。なのはの声が千切れる。粘膜を直接刺激するわけだから敏感なのは当たり前だろうけど、流石にすごい反応だ。
「なめてるの? そ、そんなの……そんなのだめぇ!」
 だから聞こえない。僕には聞こえない。
 襞や壁を僕が蹂躙していく。湿り気が増え、粘液が舌に絡みつく。
 何度も何度も、取り付かれてしまったように舌を動かしなのはを奏でる。
「やぁ……やっ! おねがい……きゃふ!! へんな気持ちになるよ……」
 襲ってくる感覚になのはが怯えていても僕は止めない。むしろ止められない。鼻や口を満たす雌の匂いがそうさせるのだろうか。
 今度は一番上の部分を集中的に攻める。
「あぁぁ……ひゃ!! だぁ……だめだよ……ゆーのくぅん!」
 なのはの太ももが僕をがっちりと挟み込んだ。引き剥がそうとしているかと思えばそれは逆に僕をそこへ引き寄せ、押し付けようしている。その太ももも僕の舌がそこを這うたびにひっきりなしに震えていた。
「……くぅ! んん! はぁ……はぅ」
 懇願する元気も余裕もないのだろうか。ただ耐えようとするなのはの息遣いが聞こえてる。
 頂が近いのだろうか? それは分からない。なら分かるまでやるだけのこと。
「う! ぁ……ん…………んぁ」
 舌が痺れたような感覚に包まれてきた。そろそろ危ないかもしれない。
 僕は舌全体でもってなのはの花弁を押し付けるようになめ、一番上の所を集中的に小刻みに舐めていく。
「そこっ! やっだ……変に……へんにぃ……はぁう!!」
(変になっていいよ、なのは)
 止めと言わんばかりに全体を二度、強く思いっきり舐めあげた。
「――っ!! あ、ゆーの……くっん!! やぁぁぁ!!」
 一瞬なのはの体が強く硬直した。太ももが異常なまでの力で僕の頭を締め上げ押し付ける。
 痙攣を起こす体。これがきっと
(いっちゃったのかな……?)
 記憶の中で交わっていた人と同じような感じだからきっと、そう。
 僕が確信すると同時にももの束縛から解放される。左右に大きく足をだらしなく広げてなのはは全身で息をしている。
 起き上がる僕。と、なのはと目が合った。目じりに涙の粒を浮かべたまま恨めしそうな視線を送ってくる。
「ひどいよ……ユーノくん……さっきからずっとだよ……」
「いろいろ試してみたらこうなったというか……」
「ねぇ、今のが……そうなの?」
「なにが?」
「気持ちいことなの?」
 無言で頷いた。ほっと、なのはが息を吐いた。
「よかった……変なことじゃないんだね」
「変になってるのは僕だからね」
 さっきからなのはを体を知るたび我を忘れてしまっている。僕じゃない僕が僕を動かしているようで。
「ユーノくんは頑張ってくれてるから……いいの」
 その一言は僕に最後の一歩を踏み出させる決意を容易にさせる。股間の怒張が張り裂けそうになる。今までなのはのことに集中してたせいであまり気にならなかった分、余計にそれを感じる。
 先端からはもう幾度となく透明な雫が落ちた後だった。
 我慢の限界はとっくに超えていた。
「なのは……もうここで、やめたい?」
「……最後までして」
 ユーノくんだって苦しそうだもん。
 そう言ってなのはは僕を見詰めた。道徳とか気遣いとか、そんな理性が吹っ飛んだ。
 蜜を滴らせるそこへ僕は自分を宛がう。窄まりと先端が触れ合った。もう、それだけで僕は達してしまいそうだった。
「……いくよ」
「うん」
 少し力を込めて押し込む。
「いっ!」
「なのは!?」
 力の焦点がずれ僕のものは上へとあえなく弾かれた。
「だ、大丈夫……びっくりしただけだから」
「でも……」
「痛いのくらい知ってるよ……だから気にしないで」
 僕は止めなかった。もう一度宛がい今度こそ押し込む。
「うっ!」
 だけどどうしてもずれてしまう。その度に僕のものはなのはのそこと擦れあって水音を立てた。
 それだけでない擦れる快感が先端を通して僕の脊髄を駆けて行く。
(だめだ……気持ちよすぎる)
 何度かそんな思考錯誤を繰り返す内に結局、僕は
「くぅ!」
「きゃっ!?」
 暴発してしまった。
 何度も痙攣して吐き出される真っ白な飛沫。それはなのはの腹から胸まで満遍なく飛び散っていく。
 やがて収まる頃、飛びかけていた意識をようやく手繰り寄せて僕は事の惨状に情けなくなった。
「ごめん……なのは」
「ユーノくん……これって?」
 不思議そうになのはがそれを指で掬う。そして何度か指の間で糸を引かせて見せる。
「男が気持ちよくなったら勝手に出るもの……なんだけど」
 本当ならそれはなのはの中で出さなければいけないのだ。誰が見たって失敗だった。
「……気持ちよくなったんだ」
「うん、それはそうなんだけど」
 すっかりクリアになった頭はとんでもなく冷静に状況の把握をしてくれる。
「でも最後まで――」
「もう一度元気にすればいいんでしょ?」
「えっ?」
 なのはが僕の股間に顔を埋めていた。優しく握ったまま僕のものと睨めっこしている。
「わたしだって……いろいろ勉強してるんだよ」
「勉強って……」
「お父さんとお母さん、お兄ちゃんと忍さん……見ちゃったから」
 それだけ言って顔を真っ赤にするなのは。恥ずかしそうに聞こえないくらいの声で呟く。
「思ってるほど、子供じゃないんだよ」
 小さな口が小さくなった僕の先っぽを飲み込んだ。
「な、なのは!?」
 出したばっかりで敏感になってるところへの追い討ち。先に触れる何か。それが舌だと理解した時には既に快感の第一波が僕を揺さぶっていた。
「うぅあ!」
 少しずつ動きが大胆になる。コツをつかんだのか、アイスキャンデーでも舐めるようになのはの舌が僕を攻め立てた。
 最初は先端だけだったのが
「ん……んぅ」
 半分くらいまで入って
「ぷは……あむ……」
 もう少し奥まで入って
「気持ちいい?」
 なのはの献身に優しく包み込まれていく。
 時々歯が当たったりもしたけど、それを上回るくらい心地よくて、温かい。
「でも……変な味だね」
 なのはが上目遣いで苦笑した。十分すぎるくらいのなのはの想い。
 僕はなのはに応えた。
「いいかな……?」
「うん……」
 寝転がるなのはに宛がう僕。
「少し強くいくよ」
 頷くなのはに合わせて先をより強く押し込んだ。少し先が押しつぶれ多様に形を変えて、でも負けじと中への道を切り開いていく。
「ん――!」
 苦悶の表情で必死に痛みに耐えるなのは。シーツを掴んで少しでも痛みを和らげようとしていた。
「なのは、力抜いて」
「う、ん……」
 こんなときそれしか言えないなんて男は情けない。でも何とかしてあげたい。まだ片手は空いてる。その手で僕はなのはのお腹や胸を摩っていく。
「はぁ……ユーノくん……」
「だいじょぶだよ、なのは」
 段々と腰が進んでいく。未開拓の肉壁は僕を外へと追い出そうと必死に抵抗する。
 悪い気もするけど行くしかないのが僕に出来ること。
(――なのは!)
 一気に腰を突き上げた。残り数センチの距離が一気にゼロになった。
「いぁぁ!! あぅ! あぁ……」
 僕の腰となのはの腰が密着した。 
 熱い、すごく熱い。なのはに全部包まれて、抱きしめられている。
「……全部入ったよ」
 涙を払って僕はそっと口づけする。手にはシーツの代わりに僕の手を握らせてもう一方の手でなのはの髪を撫でた。
 痛いだろうになのはは笑顔を作る。
「うん……ユーノくんが……お腹の中にいるよ」
 震える声。なのはの中が断続的に蠢き今度は僕を受け入れようとしている。
「すごいね……ほんとに入るんだね」
「僕もそう思う。人体の神秘かな……?」
「そうかも」
 僕の冗談になのはが笑ってくれる。とても愛しくなって舌を絡めた。
 繋がったまま、それを忘れてしまうように僕となのは互いの口内を味わい、弄ぶ。繋いだ手は離れぬようぎゅっと。そうでない手は背中に回して。
「ん、ぷは……ユーノくん、もう大丈夫そう」
「いいの? 辛いんじゃ」
 僕の問いになのは首を振って
「今は温かいの。ユーノくんと繋がってるって、幸せのほうが大きいから」
 満面の笑み。僕も心がもっと温かくなっていく。
「わかった、動くからね」
 腰を少しだけ引いて前へと動かす。擦れた粘膜が否応無しに快楽の悲鳴を上げた。
 それは入り口で擦っていた時とは比べ物にならない快さで少し動いただけでも僕のがジンジンと痺れるような感じになる。
「ひっ! ぐっ! あぁ!」
 その度なのはは悲鳴を上げた。なんで一緒に高みへ登れないのだろう。
 もどかしさが心を締め付ける。
「なのは……好きだよ……」
 そんな言葉に胸を揉んだり、髪を撫でてあげたりしか僕には出来ない。
「うん……わたしも……ユーノくんのこと大好きだよ」
 健気に応えるなのは。なのはが気持ちよくなれるように僕も精一杯優しく激しくしないように腰を動かしていく。
「あっ……うぅ……やっ!」
 気のせいか、そうしている内になのはの声も段々と落ち着いてきた。
「ゆ、ユーノくん! わたしも……気持ちいいみたいだ、よ……」
 なのはが始めた苦痛以外の感覚を訴える。
 よかった。その言葉にどれくらい救われたか。
「少しだけ、スピード上げるよ」
 言って本当に少しだけ腰を進める速度を上げる。
「ん! ……あ……ん!」
 いつしかなのはの声が色づき始めている事に僕は気づいて。
「はぁ……うく!」
 少しだけピッチ以外にことにも変化を入れる。
 例えば……。
「いいよ……んぅ!」
 ぎりぎりまで抜いて
「あっ……」
 奥まで一気に入れる。
「ふぁ!!」
 紛れもないなのはの嬌声。角度や、動き、動かす幅まであらゆる要素を絡ませてなのはが悦んでくれるよう勤めていく。
「ユーノくん…………んゃ!! ゆーのくん!!」
「なの……はぁ……なのは!」
 そんな余裕もすぐになくなって。
 部屋に響く水音と二人の息遣い。喘ぐなのはに耐える僕。
 なのはのことが誰よりも
「ゆーのくん……ゆーのく……うぁ!」
 可愛くて
「なのはぁ……なのは……」
 愛しくて
「あっ! やん! きゃう!!」
 独り占めしたい。
 狂ってしまいそうなほどに僕はなのはのことが好きでたまらない。
 もっと深く、もっと長く、もっともっと溶け合いたい。
「だめぇ……また……んん!! きちゃう……」
「僕も……もう、だめかも」
 でも限界は必ず訪れる。
「一緒に……ユーノくんと……気持ちよくなりたいよぉ」
「僕だって!」
 激しい口付けで上も下も快感を貪りあい、わけがわからなくなって。
 真っ白な濁流に飲まれかける中で僕は手だけは、なのはだけは絶対離さないと心に誓って。
「あ……あ! わた……し……あぅ!」
「うっ! くぅ、なのは!」
 空っぽの片手はなのは背中を抱いて、なのはも同じように強く強く僕の肩を抱く。
「ユーノくん! ……ユーノく……ゆーのぉ」
「なのは!」
 無我夢中で最後の一突きをなのはの中に叩き込んだ。
「あっ……あぁぁ!! やぁぁ!!」
「あぅ……う!」
 今までにないくらいの強さで僕を締め付けるなのは。呼応するように僕は欲望全てをなのはの中に注ぎ、弾けさせた。
 幾度となく脈動しあう二人。お互いの全てを解け合わせるようにそれはしばらく続いた。
 それは一瞬であり永遠。でもやっぱり刹那であって。
「はぁ……はぁ……」
 同じリズムで呼吸する僕ら。目を開けるとやっぱりなのはも目を開けていた。
 言葉はなかった。いや、いらなかった。
 どちらともなく求めたのは触れるだけのキス。それは今日の終わりの合図。
 心も体も温かい気持ちで満たされて、本当に心から幸せを感じて。
「大好き……ユーノくん」
「僕もなのはのこと……大好きだよ」
 じっとりと汗ばんだ体を抱き合い、確かめ合いながら僕らの夜は終わりを告げた。

「ねぇ……起きてる?」
「……うん」
 目を開けるとなのはが僕を見詰めていた。本当にすごく近い距離だ。
 後始末をした僕たちは裸のままこうやって同じベッドで抱き合って眠っている。正確にはどちらも起きてるから寝てるわけじゃないけど。
 でも、こうやって全身でお互いを感じあうのも悪くない。ただ流れる時に身を委ねながら朝が来るのを待つのはこれはこれで心地いい。
「眠れないの?」
「よく、わからない」
 どこか遠くを見るような視線でなのははそれだけ言った。
「ユーノくんは?」
「僕は……どうしてだろう」
 多分、答えなんてないのだろう。ただ眠れないだけ。
「リンディさん……どんなこと言ってたの?」
「頑張りましょう……みたいなことかな」
 電話が来たのはちょうど始末を終えた時だった。あっちも任務のゴタゴタで連絡するのがすっかり遅くなったらしい。
 僕は自分の決めたとおりにリンディさんの申し入れを受け入れた。明日から僕は忙しい日常の中へ放り込まれるのだろう。少し不安だけど、なんとかなると思う。
「そっか……」
「どのくらいかかるかはまだわからないんだって。任務内容はロストロギアの捜索だから早く見つかればすぐに終わるだろうって」
 もちろんそれで帰ってこれるわけでない。リンディさん下で学ぶことと、それは別なのだから。
「わたしはもう大丈夫だから」
 目を細め、自分を納得させるように頷くなのは。髪を下ろした顔は見慣れていないせいかいつもとは全然雰囲気が違う。可愛いよりも綺麗でずっと先の成長したなのはを見ているように思えた。
 なのはは腕枕に頭を預けながら切なげに僕を見上げている。応えるように僕はなのはの頭を優しく撫でた。目を細めなのははくすぐったそうに少し笑った。
「でも約束しようよ」
「約束?」
「わたしの最後のわがまま」
 視線を外し逡巡する。照れ隠しなのか、言いにくいことなのかなのはは少し間そうしていた。
「でもね、それじゃずるいからユーノくんもわたしに約束していいよ」
「そう言われても……」
「なんでもいいの。朝ごはんはちゃんと食べるとか、そんな小さなことでいいの」
「いいの? そんなので」
「うん」
 きっとその約束はなのはなりの決別の仕方。
「辛くなったら……約束を思い出して。そうすればいつでも側にいるような気がするから」
 僕の胸に頭を預けながらなのはは溢した。
「なんでもいいの?」
「無理難題は駄目」
「そう言われると結構限られるな……」
 考え込む振りをするけど、どんな約束にするかはもう僕の中で形になっている。
「……多分決まった。僕の約束して欲しい事はね」
「じゃあまた、いちにのさんで」
「うん」
 呟くように、囁くように、なのはがカウントを始める。
「いち」
 僕はなのはの髪を撫でながら静かに耳を傾ける。
「にの」
 会えない時間を支えるための片羽。
「さん」
 そうして僕らの最後の朝が来る――。


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