「ハア、ハア、ハア…」
「ゼエ、ゼエ、ゼエ…」
何処までも広がる様な砂漠地帯の上空で黒いバリアジャケットを着た金髪の少女フェイトと、
狼の耳をしている女性アルフが息を乱していた。
二人の目線の先にはマント付きフードを深々と被っている人物が何も言わず二人を見ていた。
「………プラズマ…」
すると、フェイトの足元に魔方陣が浮び放電する光球が幾つも出現した。
「ランサー!!」
フェイトはそう言って握っていたバルディッシュを合図にするかの様に前に振り回した。
すると、フェイトの周りにあった光球は槍の形に変化しマント付きフードを付けた人物に真直ぐ向かった。
しかし、その人物は別に避けようとも受け止めようともせずただ立っていた。
そして、フェイトの放ったプラズマランサーは全てその人物に命中し爆散した。
「…やったね。さすがに今の奴を受けて無事な筈は無いよ」
(…終った…の?)
アルフがそう言ってフェイトも決着が付いたと思った。しかし、
「! フェイト、後ろだ!!」
(…え?)
フェイトはパートナーのアルフの声の後、意識を失った。
※
キ〜ンコ〜ンカ〜ンコ〜ン…
学校の最後の授業が終了するチャイムが響いた。
「ふう〜、やっと今日の授業が終った」
教室では帰り支度をするものや既に教室を走って出て行くものもいた。
「今日は塾も無いし皆如何する?」
「管理局に行くのは後でも良いし」
「家に帰ってもシグナム達はまだ居らんしな」
「それじゃあ、あたしの家に来るのは如何?お姉ちゃんが昨日新しいゲームを買ったみたいだし」
なのは達がこの後如何するか考えてるとすずかが家で遊ぶ事を提案した。
「良いわね。フェイトには後で連絡して皆で行こうよ」
アリサもそれに賛同した。
「それじゃあ、行こうか」
4人がそう言って教室を出たその時だった。
『なのはちゃん、はやてちゃん、大変だよ!』
エイミィがなのはとはやてに通信を送った。
『あっ、エイミィさん、丁度良かった。フェイトちゃんが戻ったら伝えて…』
『そのフェイトちゃんが大変なんだよ!!』
「!フェイトちゃんに何かあったんですか!?」
なのははフェイトの事を聞いて声に出して聞いた。