「………う、…うう」
フェイトは少し呻き声を出して目を開けた。
そこは、何処か見覚えのある天井だった。
「…此処は?」
「フェイト!?目が覚めたのかい?フェイト!」
すると、ベッドの隣の椅子に座ってフェイトの手を握っていたアルフがそう言ってフェイトの顔を覗き込んだ。
「アル…フ」
フェイトはそう言ってベッドから上半身を起こした。
「良かったよ。フェイトが目を覚まして本当に良かったよ!」
アルフは涙を流しながらフェイトに抱きついた。
「「! 痛たたたたたたたたた!!」」
その瞬間二人の声が重なり体を離した。
フェイトは頭をアルフは左腕を押さえた。どちらも包帯を巻いていた。
「…アルフ、此処は?」
フェイトは頭を押さえながらそう聞いた。
「此処はアースラの医務室だよ。他の局員も別の医務室で治療を受けてるよ」
フェイトの問いにアルフはそう答えた。
「医務室?…そうか私達、あの人に負けたんだね」
「…ああ、悔しいがあたしの拳も殆ど効果が無かった…」
二人の間に重い空気が流れた。
すると、
プシュッっと言う音と共に扉が開き4人の少女が雪崩れ込んだ。
「フェイト!しっかり、死んじゃ駄目よ!!」
「フェイトちゃん、死んだら駄目だよ。まだまだ楽しい思い出とか作らなきゃ!!」
「フェイトちゃん…って、アレ?」
「フェイトちゃん、仇はとるからな、安心して逝きや!ところですずかちゃん、如何した…」
4人の中ですずかが始めに気付きはやて、すずか、ありさの順で気付いた。フェイトがこっちも見ていた事に、
その後、なんだかんだあってフェイトが軽傷だと知った。しかし、
「フェイトちゃん………その…」
「……酷いよ、皆。勝手に殺すなんて……グスンッ」
フェイトは布団の中に潜ってそればかり言っていた。
「フェイトちゃん、ホント…その…ごめん」
4人がそれぞれ謝ってると、再び扉が開き今度は3人と1頭が医務室に入った。
「テスタロッサ!!私との勝負はまだ終って無いぞ。それなのに死ぬとは何事だ!!」
「はやて!フェイトが死んだって本当か!?」
「う、ううう……フェイトちゃん。…後で喪服を準備しなきゅ…」
「エイミィからの通信でテスタロッサが討ち死にしたと聞いたが真か!?」
はやての守護騎士のヴォルケンリッターの面々がそう言って医務室に入って来た。
「ちょ、皆うちの話し聞いて!」
はやてはなるべく小さい声でそう言ったが、
「うおおおおおおおお!!!テスタロッサ!この仇は必ず取ってやるからな…」
「(ヒックッ)は、はやてちゃん、お香典って(ヒックッ)どの位出したら(ヒックッ)良いんでしょか?」
ヴォルケンリッターの中でもシグナムとシャマルが特に平常心が無かった。
(エイミィさんてどの位大袈裟に言ってるんだろ?)
「シグナム達まで…もう良いよ。グスンッ!」
その後、何とかシグナム達にも説明しフェイトを励ましていたが、
エイミィの通信で急いで本局から戻ったクロノや、
何故か遺影を持って現れたリンディを見てフェイトは更に落ち込んでしまった。
そして、元凶と言えるエイミィが途中で会ったのかユーノと共に医務室に来たが、
先に来ていたリンディとクロノに襟首を引っ張られ部屋から連れ出された。
唯一状況が分かってないユーノは呆然とエイミィ達を見送った。