10分後
やっとおさまったのを確認し、部屋を出てアースラ艦内のブリッジへ向かう
ブリッジの扉の前で深呼吸
「すーーーーはーーーー。良し、大丈夫だ。」
ブリッジにはエイミィ本人が居る
あんな夢の後だから、余計な意識ができてしまう
バシュゥ
扉が開き、ブリッジに入る
「おはよう。」
いつもどおりの挨拶
仕事場に入ればいつもの自分に戻れる
そう思っていたクロノだったが、、、、、
「クロノ君おっはよ〜!今日は寝坊かい?」
エイミィの元気な挨拶と笑顔
これもいつもどおりの光景だった
「あ、、、、あぁ、、おはよう、エイミィ、、、す、、少し寝過ごしたようだ」
「? ふぅ〜ん、、、、珍しいねぇ。」
「あ、あぁ、、、たまには,,こんな日もある、、、さ」
クロノはエイミィに顔を向けようとしたが、何故か顔をそらしてしまう
「(だ、、、駄目だ、、、顔を見ることができない、、、、くそ)」
そんな不信なクロノの行動に、エイミィは首をかしげる
「クロノ君、、大丈夫、、、、?なんかいつもと雰囲気が違うけど、、?」
「い、、いや、そんなことはない。僕はいつも通りだ。」
心の動悸を悟られないように、いつも通りの返答を試みる
が、付き合いの長いエイミィは、そんなクロノの変化を見逃さない
「やっぱり何か違う。、、う〜ん、、、、何ていうか、よそよそしいよ。」
「い、いや、、、僕はいつもと同じだ。そんなことより、昨日の残りの報告書を見せてくれ」
「う、、うん。クロノ君がそう言うなら、、、」
なんとか誤魔化すことができ、クロノはホッと胸をなでおろす
仕事に入ってしまえば雑念が生まれることは無い
やっといつもの自分に戻れる
書類に目を通しながらクロノは安心していた
「エイミィ。このグラフの表現なんだが、もっと簡素化しても良いんじゃないか?」
エイミィの報告書に指摘部分を見つけ、エイミィに話し掛ける
が、、、、
そこに居たのはエイミィではなく、金髪の美少女、フェイト・テスタロッサ・ハラオウン9歳
クロノの義妹で、彼女も優秀な魔道士である
「兄さん、エイミィならお手洗いに行ったよ。」
「え、、あぁ、、、そうか」
「???」
いつもの兄と違う反応に、フェイトも首をかしげる
いつものクロノなら人を見間違えるなんてまずありえない