「ま、待つんだ!か、母さん!母さ〜ん!!」
たまらず助けを呼ぶクロノ
キッチンからリンディが顔を出す
「なぁにぃ、大きな声だして」
「フェイトがお風呂に一緒に入るって言ってるんだよ!」
「あら、良いじゃない。兄妹なんだから」
この母親に助けを求めた自分が愚かだった
クロノは強く思った
「た、頼むから、これだけは助けてください!母さん!」
ふぅ、とため息をついてリンディはクロノにしがみつくフェイトに話し掛ける
「ねぇ、フェイトちゃん今日はママとお風呂に入りましょ?」
「うう〜、フェイト、お兄ちゃんとお風呂入りたい〜」
「うん、ママも3人でお風呂入りたいんだけど、今日はお兄ちゃんお腹が痛くてお風呂は入れないの。だから、今日はママと入りましょ?」
こう言われるとフェイトも文句は言えない
ちょっと涙目になりながら、クロノを心配する
「お兄ちゃん、、、お腹大丈夫?」
「えっ!?、、、、う、、うん。 大丈夫だよ。ありがとう、フェイト」
少し罪悪感を感じつつもリンディの助け舟に感謝するクロノ
「じゃぁ、行きましょ?フェイトちゃん?」
「うん!♪ママと お風呂! お風呂!♪」
嬉しそうに跳ねながらお風呂場へと向かうフェイトを見ると、何故だか微笑ましく見えた
結局その夜は、家族3人で川の字になって寝ることになった
みんなで一緒に寝たい というフェイトの望みを叶えるために
真中にフェイトを置き、その右にクロノ、左にリンディが寝る
フェイトはクロノとリンディの手を繋ぎながらすやすやと静かな寝息をたてている
「クロノと寝るのも久しぶりね」
「うん。そうだね、母さん。」
クロノも、フェイトの手の温もりを感じながら寝るのにはまんざらでもなさそうだ
「明日はどうなるんだろう・・・・」
「明日は学校があるから、クロノ付いて行ってあげてね」
「えっ!?学校は休ませるんじゃないんですか?」
「駄目よ。フェイトちゃんは行きたがってるんだから」
「し、しかし、いくら日常生活に支障がなくても、5歳のフェイトを行かせるのは無理がありますよ」
「だから、あなたが付いて行くのよ。大丈夫、さっきなのはさんとはやてさんには連絡して全ての事情は伝えたから」
「そ、そんな、、、、」
「さぁ、明日も早いんだからもう寝ましょ」
「はぁ、、、、、、、」
明日からの想像を絶する日常を考えるとため息しか出てこなかった
―――――自宅編終了―――――
次回 学校編に続く