5時間目 体育
今日の体育は跳び箱らしい。
体育館にはマットと跳び箱が用意され、フェイト達が更衣室から出てきた
フェイトの体操服姿を見るのも初めてだった
「・・・・・・・・」
「、、、、、ちゃん、、、、お兄ちゃん、、、、?」
「ん、、、あ、ああ、何だい?フェイト」
「お兄ちゃんの番だよ?」
「はっ!?」
「僕の、、、番?」
「うん」
なぜかみんなクロノの方を見ている
フェイトの体操服姿に見惚れていたのか、それとも別の感情からか、クロノはぼーっとしたまま何か会話をしていたらしい
「お兄さん、生徒たちに模範演技を見せてあげてもらえませんか?」
先生がクロノにお願いをする
「僕が、、、ですか?」
「はい、お兄さんは非常に運動が得意と、フェイトさんやなのはさん達から伺いまして」
「えっ!、、、ええまぁ。」
思わずなのは達を睨むクロノ
(クロノ君ごめんなさい。つい、私達のお喋りが先生に聞こえちゃったみたいで)
(まぁ、それはいいが、何をすれば良いんだ?)
(とりあえず、ムーンサルト!)
(は、はやて!小学生にそんなの見せても意味無いだろう!それにムーンサルトってなんだ!)
(できひんの?)
(いや、出来るが、みんなが真似したら怪我するだろう?!)
(大丈夫やって.)
「フェイトも見たいよね、クロノさんのムーンサルト!」
「そ、そこだけ声に出して言うなよ、、、、、、、」
「うん。フェイト、お兄ちゃんの跳び箱見たい」
(ま、またそんな顔で,,,,)
上目使いで迫られると断ることができない
クロノの弱点を十分フェイトは熟知していた
「解ったよ。でも、みんなは真似しちゃ駄目だぞ。危険だから」
「はーい!!」
元気な声が体育館に響き、クロノは助走から一気に飛び出す
ロイター版を踏み、飛び跳ねる、跳び箱の最上段に両手をつき、そのまま倒立状態に入り身体を180度回転させ、そのまま後ろ向きに飛び跳ね、膝を抱え込み3回転ほどして着地
ムーンサルトではないが、綺麗なフォームでの演技だった
いっせいに歓声が上がる
「すげぇーーー!」
「人間じゃないよ!」
感想は様々だが、生徒達は喜んでくれたようだ
「有難う御座います。お兄さん!」
「い、いえ、あれで良かったでしょうか?」
「もう、十分です!」
先生も興奮している