「お兄ちゃん!カッコよかったよ!」
「あ、ああ、ありがとうフェイト」
「ご褒美あげるね!」
「ご褒美?」
「うん。お兄ちゃん、もっとしゃがんで。」
クロノの腕を引っ張りながらフェイトがクロノの顔を引き寄せる
「ご褒美!、、、、、、ちゅっ、、、、」
クロノのほっぺにチュウ
体育館に嵐が起こる
「うわぁぁっぁぁぁぁぁ!!!!きゃぁぁぁぁぁぁ!!」
「ちゅうだ!!ちゅう!!」
悲鳴のような、歓声のような、複雑な声があがる
顔を真っ赤にしたなのは達も何も言えなかった
「な、な、な」
クロノも真っ赤になりながら何かを言おうとするのだが、、、、
「えへへへへ。お兄ちゃんだ〜い好き」
「あ、ふぇ、ふぇ、フェイト、、、、」
結局そのまま授業になるわけも無く
授業終了のチャイムと共に、クロノはフェイトを連れて逃げるようにして家に帰った
「きょ、今日は、、、疲れた、、、、もう、駄目だ、、、」
フェイトのことが嫌いなわけじゃない、むしろその逆だ
無邪気に甘えるようになったフェイトと一緒に居ると、クロノの心の中まで暖かくなる
しかし、今日のほっぺにちゅうはクロノの対応能力をはるかに超える出来事だった
それとともに、クロノには今までに無い感情が生まれていることに気付いた
すやすやとコタツの中で寝ているフェイトの寝顔
妹であるはずのフェイトに対する想い
これは兄としてなのか、それとも、、、
わからない、、、、
どんなに考えても答えが出ない
ため息が止まらない
「何を考えてるんだ、僕は。、、、、、、、、フェイトは僕の大事な妹、それで良いじゃないか」
自分に言い聞かせるようにクロノは結論付けた
「よっと、思ったより軽いな」
コタツからフェイトを出し、抱きかかえながら布団に運ぶ
「こんな小さな身体で闘い続けてきたんだな、そして、、、、これからも、、、、」
その事実に少し心が痛んだ
そして思う。もう少しこのまま、5歳のままで甘えさせてあげたいと、、、、
――――学校編終了――――
次回 エピローグに続く