体中がなんだか熱い。頭もぼーっとしっぱなしでお菓子も手につかない。
「こっちのお菓子は、もういらないよね」
さっき私が食べていたお菓子の入ったお皿を脇に寄せるなのは
代わりに、なのはが自分のお菓子を差し出した。
私はからだの火照りをなのはに感づかれないようにしようとがんばってみた。
「なんだか、もじもじしてるみたいだけど、どこか調子悪いの?」
意地悪そうな声で耳元に話しかけられ、耳の後ろを指でなぞられた。
体がびくびくっと反応して、なんだかぞくぞくしたものがはい上がってきた。
まるで私の体じゃないみたい。
「お兄ちゃんと忍さんがこの前、お部屋でこういう事やってたんだよ」
と、ケーキのクリームをおもむろに私の首に塗って、なめ始める。
なんだか体のあちこちがむずむずして胸がなんだか切ない。
思わず声を上げてしまった私を見て楽しそうな笑みをなのはが浮かべた。
そして、さらに丁寧に首筋をなめられ、私はそれだけで意識が遠くなりそうになった。
「実はね、フェイトちゃんが食べていたお菓子にはいけない気分になる薬がはいてるって
お母さんが言ってたの」 はっとして、なのはを見つめる。
私は嫌われているんじゃないかと思うと悲しくて、目が熱くなってきた。
そんな私をなのはは後ろから優しく腕を回してきた。
「フェイトちゃんが可愛すぎるから、ついいじめたくなっちゃうの」
なのはと別の声がした。桃子さんだ。
「あ、お母さん。見てたんだ」なのはが少しはにかみながら桃子さんの方を向いた。
「なのは、抜け駆けはしちゃだめって約束したでしょ?」
「ごめんなさい」少し残念そうにしているなのは。
「でも、お父さん達には黙っててあげる」
口に人差し指を当てながらおかしそうに桃子さんが言った。
「その代わり、私も混ぜてね」
黙ってる?混ぜる? 少し混乱していると、なのはがゆっくりと首筋をなめ
桃子さんは「まだまだね、なのはは」と言いつつ、唇をあわせてきた。