自己紹介が終わって先生が指定した席についた。
なのはと席は離れた。でも、一緒のクラス。
すずかとアリサもいる。みんな同じクラスなのに少し安心した。
−アリサが相変わらず怒ってるような顔なのが気になるけど−
授業が始まった。隣の子にご本を見せてもらってるけど、文字が読めない…
後でなのはに聞こう。
授業の終わるチャイムが鳴って、アリサがこっちにやってきた。
「ちょっと、いい?」何だろうと思いついて行く。
人気のない場所に来たとたんに肩をつかまれて壁に押しつけられた
「あなたって、なのはの何なの!?」意味が分からないので、何も答えられなかった。
すると、怖い顔をして手を上げてきた。頬に鈍い痛みが走る。
「バスの窓から見てたんだから。なのはと抱き合っているのを」
あ、あのときのことだ。私は何でもないと言おうとしたけど、
それじゃ、高町家の皆さんの悪口を言ってしまうことになる。
嘘でも言ってしまえばいいのだけど、私そういうの下手だから
何も思いつかない。
「くっ」黙ってる私にイライラしたんだろう、
もう一度私に手を上げようとした。でも、降りてこない。
アリサの手をすずかが止めている。
「アリサちゃん、フェイトちゃんが怯えているじゃない
それに、そのことを聞きたいのはアリサちゃんだけじゃないんだよ」
ちょうどそのとき、またチャイムが鳴った。
アリサは私を憎々しげに睨みながら、教室の方へ戻っていった。
すずかもアリサの後をついて行った。
私は、どうしたらいいのだろう。魔法のことも、今まであったことも
全部言えたらどんなに楽なんだろう・・・