『・・・アナタは、いったいだれ?』
クロノさん”だった”物はだんだん形が
崩れ始め、黒い霧になってアリサの周りにまとわりついた。
すずかは、なのはに標的を変えて、鞭を打ち付ける。
「え?何?イヤ、止めて!」アリサの方から声がする。
黒い霧がアリサの首をかすめ、胸元へ入り込み、太ももをまさぐるように
うごめく。椅子に固定されているので抵抗することもままならず、
されるがままになっている。
「んあっ! あっ! はうっ!」なのはも苦痛にもだえ、悲鳴を上げていた。
二人とも、助けたい。でも、さっきので力が入らない。悔しさに唇を噛む。
<<フェイトちゃん、私のことは良いから、二人を助けて>>
・・・弱い電撃をすずかに当ててみる。多分それで普通の人は気絶するはずだから
<<わかった。私の魔力、少し分けるよ。>>
・・・でも、バルディッシュは・・・
<<大丈夫、何とかなるって>>
そうしている間にも、黒い霧はアリサの口を無理矢理ねじ開け、スカートの
中へ入っていった。アリサの息が上がり、顔も赤くなってきている。
・・・こうしてはいられない。ごめんなさい、なのは、もう少しだけ待ってて
<<・・・うん、わかった>>
私は、呪文の詠唱に入る。バルディッシュがあった時は、半分以上自動化されて
いたけど、小さなデバイスしかない今は全て自分で手続きをしなければならない。
黒い霧が動きを止めた。しまった、気づかれた。