曰く、私が電撃をかける前まで、意識があったそうだ。
黒い闇に捕まってから意識を失うまで、
ずっと私達のことについて聞かされていたらしい。
憎悪むき出しの言い方で。
自分がひどいことをしているのに体が言うことも聞かない、その上ずっと
恨み言を聞いていた。それはどんなにつらいことなんだろう。
私は、耐えられるのかな?
「なのはちゃん、フェイトちゃん・・・アリサちゃん。・・・っぐ・・・本当に・・・
なさい・・・ひっく・・・」私は、どんなことがあってもあの人の子供だ。
そんな私が謝ってもらう資格なんてあるのだろうか・・・。
すずかは、そのままなのはの体に身を預け静かに泣き出した。
本当に謝らなければならないのは私だろうな・・・。
アリサが躊躇しながらも、すずかの髪をなでる。すずかははっとして
アリサに向くが、アリサは顔をふっと横に向ける。頬には涙の筋が何本も
流れていた。目から涙があふれそうになったけど、唇をかみしめて耐えた。
壊れかけた絆、私はいったい、どうすればいいのだろう。
<<フェイトちゃん。フェイトちゃんは悪くないんだから。自分を責めないでね>>
・・・ありがとう、なのは。なのははいつも優しいね。
<<ううん、そんなんじゃないよ。私、フェイトちゃんの気持ちはわからないけど
フェイトちゃんが全部背負い込むことはないと思うんだ。いつも私が
ついているからね。だから、今は泣いても良いんだよ。>>
なのはの言葉で私の中で何かが吹っ切れた。同時に涙が止めどなく流れてきた。
その時、ひかりが現れて人の形になった。
「なのは、フェイト。大丈夫か?」
本物が現れた。