私は、立っている。もう二度と来ることがないだろうと思っていた所に。
なのはと戦って、母さんがバルディッシュを破壊したあとにつれられてきた所。
手枷をはめられ、本当の自分を知った所。・・・良い思い出なんて一つもない。
いや、なのはと分かり合えた場所でもあるのかな。
艦の皆さんにも優しくしてもらったっけ。
アルフ以外にそんなことしてもらったことがなかったから、本当に嬉しかった。
「フェイトちゃん、どうしたの?」少し先からなのはが呼んだ。
少しぼうっとしていたみたい。私の後ろには少し心配そうにアリサがしがみついている。
「しかし、本当に大変だったな・・・っ?!」先頭を歩いていたクロノさんが
私達の方をすこし向いて、すぐに顔を背けた。なんだか耳が赤くなっている。
「どうしたの?クロノ君」なのはがなんだかわからないといった感じで聞いた。
「じ、自分の状態を見てみろよ」なのはがあっと声を上げる。
服のあちこちが裂け、地肌が見えている。私は・・・なのはよりひどい状態。
「そ、それは置いといて、今から艦長の所に案内するからな」
かなりぎこちない案内のもと、リンディさんのもとに向かう。
あれからクロノさんは黙ったまま。私となのはを挟むようにして、
アリサとすずかがいる。私とアリサ、なのはとすずかは話をしたりしているけど、
すずかとアリサが言葉交わすことはなかった。
なんだか重たい空気
・・・なのは、ごめん。
<<フェイトちゃんが謝る事じゃないよ>>
・・・こんな事になるなら、私・・・
<<いなければ良かったなんて言ったら私、怒るからね>>なのはの口調がすこし怖かった。
しばらくして、目的の場所に着いた。