「ちょっと家に電話するね」とすずかが携帯を出し電話する。
アリサもそれに習って家に電話をかける。私は、この瞬間が苦手。
時々、アリシアだったらよかったのかな、と思ってしまう。でも、今は帰るところがある。
すずかの家から車が迎えに来るそうなので、公園の入り口に移動しながらお喋りを
することにする。入り口に到着して、ユーノさんがこのままじゃまずいからと言い、
変身をした。すかさずアリサがつまみ上げ、
「またその格好で変なことしようとしてるんじゃないでしょうね?」
と少し意地悪な笑みを浮かべユーノさんを睨みつけた。
一生懸命に首を振って否定するユーノさん。
私は、そのやり取りが面白くてなのは・すずかと笑った。
しばらくアリサはユーノさんをいじって遊んだ後、なのはのに返した。
少しぐったりしているように見えるけど、大丈夫かな?
すずかが不意に口を開いた。
「なのはちゃん、フェイトちゃん。制服、むちゃくちゃにして、ごめんね。」
悲しみの混じる声ではなす。なのはは首を横に振り、
「ううん、仕方ないよ。すずかちゃんの意思じゃないんだし」と苦笑いと取れる
表情をした。私も、すずかは何も悪くないと軽く肩をたたいた。
「でも、何かしないと私の気がすまないよ」と少し涙ぐむ。
私となのはは無言ですずかの肩を抱いた。すずかはうつむき加減の顔を上げ
「二人の制服は私がどうにかするから」といった。私達は、気にしなくていいからと
すずかに言ったけれど、首を横に振って、譲らなかった。私達は、制服の仕立てをお願いすることにした。
しばらくして、車が私達の目の前に止まった。
それぞれの家まで送ってくれるといわれたけども、私となのはは考えたいことがあるから
と申し出を断った。執事さんは、しかしと渋ったけど、すずかは察してくれて執事さんを
制した。アリサとすずかを乗せ、執事さんは車のドアを閉めた。