車の窓から二人が顔を出している。
「なのはちゃん、フェイトちゃん。明日、私のうちに来て」
なのはと私は分かったと返事をした。
「なのは、フェイト。またね。変なことしたらだめだよ、淫獣くん」
なのはの肩に乗っているユーノさんが思いっきりうなだれた。ぼそりと
「淫獣って…」とつぶやいている。
二人に手を振って車を見送った。
ふと、私はアリサとすずかの二人きりにしてよかったのかなとなのはに言った。
「きっと大丈夫だよ。二人は」なのはは自身ありげに、でも心配そうにいった。
「じゃあ、僕達も帰ろう」淫…ユーノさんが言った。
「そうだね」となのは。私もうんと頷いた。それから家に着くまでこれからについて
話し合う。
「今回の犯人って、私達のことをどうしようと思ったんだろう…」胸が少し痛んだ。
ほとんど可能性が無いとはいえ、母さんが反抗を行ったとは言い切れないから…。
私が黙っていると、ユーノさんが私の肩に乗り移って、ほほをなめてくれた。
「フェイト、君は何も悪くないんだから、そんなに思いつめないで」
私の心を読んでるかのような言動にドキッとした。
「フェイトちゃん見てればすぐに分かるよ。フェイトちゃんは優しいから」
穏やかな顔でなのはが言った。でも、母さんがやった可能性があるのなら、
私が何とかしないとと言うと、なのはは首を振り、
「ううん、どんなことでも二人一緒、だよ。一人では困難なことでも二人なら越えられる。
苦しいことは半分こ。ね、フェイトちゃん」私は、うんと頷いてなのはの目を
見つめる。なのはもこっちを見ている。見詰め合ってると、自然に笑みが浮かんできた。
「あの、僕も忘れないで…」と肩から声がした。
「分かってるよ。ユーノ君」なのはが笑う。とユーノさんはなのはの肩へ戻っていった。