「私に言いたくないことでもあるの?それとも、この家にいるのがいや?」
私は、秘密がばれてしまったのかと思ったのと、家にいたくないのかと聞かれた事で
ひどく動揺してしまった。そんなことは無いと言おうとした時、左肩に衝撃を
感じた。後から鈍い痛みが走る。桃子さんは棒のような物を持っていた。
「痛いでしょ?でも、約束を破られた人の気持ちは、もっと痛いのよ」
桃子さんがすこし悲しそうな顔で話す。私は、桃子さんを裏切ったんだ・・・。
私は、誰よりも裏切られる側の気持ちを知っているはずなのに・・・。
ごめんなさいと何度も頭を下げて謝った。
「これからは、なのはに頼んでも良いからちゃんと連絡ちょうだいね」と桃子さんが
笑ってくれた。私は、ほっとしたと同時に、自分のことを心配してくれている事に
嬉しくなった。そんな私を見て、やれやれと言ったような様子で
「フェイトちゃんもお腹がすいてるでしょ?用意するから先に行って待っててね」
と言われたので、先にダイニングへ行ってる事にした。
テーブルには、なのはとユーノさんが待っていた。
なのはが、どうしたのと聞いてきたので桃子さんとの約束をすっぽかしたから
ちょっと怒られたと話した。なのはがごめんねと済まなさそうに言うので
私は、なのはが謝る事じゃないよ、となのはを宥めた。
ユーノさんは美由希さんに呼ばれたのでそっちに走っていった
ふと、ユーノさんの声が聞こえた。
<<さっきから思ってたんだけど、名前呼び捨てで良いから>>・・・ユーノ?
<<うん、これからはそう呼んで>>・・・分かった。
美由希さんの股に飛び乗るユーノ、美由希さんにくすぐられてじゃれている。
しばらくして、桃子さんが料理をトレーに載せて運んできた。
器に白いものが盛られている。それと、もう一品はグリーンサラダ。
「わー、グラタンだー」なのはが待ってましたとばかりの笑みをこぼす。
二人の前に器が置かれる。うん、とても良い匂い。
ユーノも戻ってきて、テーブルにちょこんと座った。