美由希さんの後について道場に向かう。中に入り稽古場の中心まで進んだ時、
正座して目をつぶるように言われた。しばらくそのままでいるように言われたので
そのままじっとしていた。するとふと何かが飛んでくる気配を感じたので
とっさに手を伸ばして、それをつかんだ。美由希さんが悔しそうな表情をしている。
「なかなかやるわね。どこかで修行でも積んできたのかしら?」
何を言われているのか分からずきょとんとしていると、美由希さんが手に持った物を
私の目の前に突き出した。
「フェイト。私と手合わせ願おうかしら」私は初めて握った物を見た。木刀だった。
私は剣を握ったことがない。どうすればいいか分からずにあたふたしてると、
美由希さんが刀を打ち下ろしてきた。とっさに木刀で防いだ。手が衝撃でしびれる。
座ったままの姿勢で力が入らず、木刀もはじかれてしまう。
その隙をついた美由希のさんが剣の柄で私の左の肩口を強打した。体が床を転がる。
私は痛みでうずくまる。美由希さんは私を立たせ、転がっている木刀を拾うように
あごをしゃくって指示をした。私は言われるままに木刀を取りに行き、
あっているかどうか分からない構えをした。とたん、美由希さんが走ってきた
動きが速くて見えない。気がつくと目の前に現れ、足払いをされる。
バランスを崩し右に倒れるその時、倒れる側の脇に一撃がクリーンヒットする。
私は、再び飛ばされる。痛みで動けなくなる私に追い打ちをかけるように、
背中へ一撃がヒットした。