至る所が痛む体を引きずり、家に戻る。階段を上ろうとした時、なのはに呼び止められた。
「フェイトちゃん、私、今からお風呂にはいるんだけど、一緒に入ろ?」
なのはに今の体を見せるわけにはいかない。なのはに私はちょっとやることがあるからと
申し出を断った。ちょっと残念そうな顔をしていたが仕方ないねと下がってくれた。
自分の部屋に戻り、鏡で体の色々とな所を見てみた。
母さんに鞭をふるわれた傷の跡が直らずについている。その上に赤くはれたあとが
うかぶようについていた。跡、残るだろうな・・・。涙が出そうになる。
それをとこらえる。私の居場所はここしかない。それにここにはなのはがいる。
美由希さんだってきっと仲良くしてくれる。だって、なのはのお姉さんだから。
今は色々とされているけど、きっと私のことを受け入れてくれる。
私は目をこすり、こぼれそうになった涙をぬぐった。そして、バルディッシュを見つめる。
「フェイト・・・」入り口でフェレットの格好をしたユーノがこっちを見ていた。
ドアが開いていたらしい。ユーノが寄ってくる。私はそっとユーノを抱きしめる。
石鹸の香りがした。なのはとお風呂に入ってきたのだろう。私を心配そうに見る。
一部始終を見られてしまったらしい。何かを言おうとしたユーノの口に手を当て、
私は大丈夫、でもなのはには言わないでと頭を撫でながらユーノに話した。
「うん・・・分かった。なのはには言わないけど、無理しちゃだめだよ」
目頭が熱くなって、私はさらにユーノを抱きしめた。ユーノは黙って抱かれていた。
私がユーノを離し、ドアを出たところでなのはの声がした。
「ユーノ君、フェイトちゃんの所にいたの。ちょっと探しちゃったよ」
なのはが入り口に顔を出す
「フェイトちゃん、お風呂あいたよ」私はうんと頷いて、お風呂に向かった。