アリサがパフェを食べ終えるまでの間、みんなでお茶をした。
それから、ノエルさんが昨日から今日までの事について話してくれた。
話を聞いていると、アリサは忍さんに連れてこられたようだ。
「私が忍お嬢様や桃子様に連絡をいたしました。勝手なことをして申し訳ありません」
とノエルさんが謝る。別に謝る事じゃないよとすずかがいう。
公園で別れたあとの会話から、私達がこっちに来ることとアリサが別行動をとることを知り、
それを忍さんに話したところ、内緒でアリサをつれてくる事を思いついたらしい。
「忍さんは?」なのはが聞く。
「忍お嬢様は恭也様とドライブに出掛けられました」そう、となのはの返事。
やっぱりというような顔をしている。
「何だかお兄ちゃんそわそわしてたから」となのは。あれが嬉しそうな顔だったんだ…。
「すずか」と唐突にアリサが切り出す。すずかがアリサの方を向く。
ちょっと顔が強張っている。ノエルさんはファリンさんを押して部屋から出て行った。
色々と気の利く人だ。部屋には私達だけになった。アリサが口を開いた。
「すずか、ごめん。昨日のこと、すずかのせいじゃないのに素っ気ない態度をとって。
本当は、私がすずかの立場になるはずだったのに…それを守ってもらったのに、
避けちゃって。まだちゃんと目を合わせられないけど、それでも許してくれるかな?
自分勝手だって分かってるけど…」すずかはうなだれるアリサを胸に抱き、
「ううん、私の方こそ謝らないと。アリサちゃんにひどいことをしたのは私の方なんだから。
別に今目を合わせられなくたって良い。アリサちゃんが許してくれるのならそれで
私は十分だよ。」すずかの目から一筋の涙がこぼれる。
ごめんねと繰り返すアリサの髪を優しく撫でる。
扉の方からグスッと鼻をすする音が聞こえた。なんだろうと思って扉を開けてみる。
そこには立ち聞きしていたのであろう、涙で顔をぐしゃぐしゃにしたファリンさんがいた。
「えぐ、業者の方がお見えになってますぅ〜」