庭に出た私は、明かりで足下が見える範囲で見て回った。何もないことを確認して
屋敷に引き返そうときびすを返した瞬間、背後に気配を感じた。振り返る直前
ペンダントになっている宝石が光り、
“protection”の音声とともに私に光る幕のようなものができた。そこに何かが当たり、
跳ね返った。 暗がりに目をこらすと、そこにノエルが立っていた。
私はノエルの側に近付こうとしたがただならぬ気配を感じ、動けないでいた。
「すずかお嬢様、どうなさいましたか?」笑顔のノエル。いつもと変わらないようにも見える。
でも、私は見逃さなかった。目の色が一瞬変わったことに。
そして、ノエルの傍らには目に見えない、得体の知れない生き物みたいな気配を感じた。
フェイトちゃんと別れた直後、私は猛スピードですずかちゃんの家へ向かっている。
眼下には街が見え、真下には同じ方向に特急電車が走っている。
私はすこしずつ電車の前にせり出す。
後1分くらいでつける。ユーノ君の周りにシールドを張り、さらに加速する。
お願い、レイジングハート。もっと早く
“All right・MyMaster”
私はなのはと別れた後、困ったことに気がついた。アリサの家がわからない。
空中で静止して、アリサを呼んだ。・・・聞こえる?
<<何?フェイト>> ・・・いま、すずかの家で大変なことが起きてるみたい。
<>声にならない声で驚いている。・・・今から迎えに行くけど、家の場所がわからない。
<<どうやって説明すればいい?あなた、街のこと知らないでしょ?>>
・・・目をつぶって自分はここにいるって念じて。
<<わかった。>>私は意識を集中してバルディッシュを掲げる。
“Area Search” 私の周りからたくさんの光りが飛んで、四方に散る。
…見つけた。私は、今から向かうから家の人に見つからないように表へ出てきてと伝えた。
そして、アリサの返事を待たずして飛んだ。