「ちょっとだけ、お手伝いしてくれるかな?」私は、桃子さんのそばにいった。
レタスを渡され、それをちぎって盛りつけをするようにいわれた。
ボールに水を張って、レタスを洗っていると、不意に桃子さんが話し掛けてきた。
「フェイトちゃんとなのはって仲がいいわよね。それも、普通の友達以上に」私は話を黙って聞いてた。
「もしかしたら、私たちにいえないような関係なのかなーなんて考えたりしたんだけど」
私はびっくりして、思わず桃子さんを見つめた。
「最近なのはは、私たちに隠していることがたくさんあるようだし。
それは別にいいんだけど、少し悲しいかな、なんてね」桃子さんが寂しそうに笑う。
「あの子はいつも問題を自分ひとりで抱えてしまうから・・・。
小さいときに放って置きすぎたから極端に人に頼らなくなってしまって・・・。
もし悩んでる事があるなら、いつでも私たちに相談してほしいな。なんて私のわがままよね」
と独り言のようにつぶやいた。
私は、そんなことはないです。あなたが母親だからなのははあんなに立派に育ったんです。と桃子さんの目を見て話した。
「ありがとう、フェイトちゃん。でも、本当のことだから、ね。
でね、こんなこと頼めた義理じゃないんだけど、
もしなのはが一人で苦しんでたりしたら助けてあげてほしいな。
すずかちゃんやアリサちゃんと一緒に。」私は無言で頷く。
「それと、フェイトちゃんもつらいことや悩みがあったらいつでも私を頼ってね」
桃子さんがウィンクをする。私は目頭が熱くなり、涙があふれそうになる。
はいと返事をしたけど、声が上手く出なくて、小さく震えてしまった。
涙もこらえきれず、雫が数滴床に落ちた。
「湿っぽい話はこれくらいにして、みんなのところに行きましょ」私は涙をぬぐって、
首を縦に振るのが精一杯だった。
「なのはには内緒ね」桃子さんが口に指を当てておどける。私は、
それが少し可笑しくて涙を流しながら笑った。