少し長湯しすぎたのでお風呂から上がることにした。
時計をちらりと見ると3時過ぎ。眠気はさっきの騒ぎで飛んでしまったけど、かなりの夜更かしになっている。
すずかとアリサはのぼせ気味、なのはは眠気が襲っているのかふらふらしている。
とりあえず寝間着に着替え、リビングで水分補給をしてからなのはの部屋に向かう。
なのはが部屋の扉を開くと部屋の奥から小さな寝息が聞こえてきた。
「誰?」なのはがおそるおそる声をかけてみる。すると、ベッドの上で大きなしっぽが二三回揺れた。
部屋の隅には士郎さんが持ってきたのだろう布団が四人分置いてあった。その上に小さい狐がちょこんと横になっていた。
「くぅん」かわいらしい子狐があくびをしながら起きあがった。
「か、かわいい…」なのは、すずか、アリサがそれぞれがうっとりしたような目で狐を見つめている。
その子狐が一点を見つめている…なのはの胸元にいる、のびたままタオルにくるまれたユーノを見つめていた。
口元に少しよだれが出ているような気がする。
まるでおいしそうな獲物を狙っているような目になっていた。
ユーノが起きた。狐と目が合う。とたん、ユーノはがくがくとふるえだした。
私は子狐の所に行ってひょいと抱きかかえる。すると子狐は急に暴れ出し、私の手から逃れると部屋の隅で縮こまってしまった。
それを見ていたすずかが狐に手を差し出す。子狐は恐る恐るといった感じですずかに近づいていく。
そのとき、子狐のおなかがグーっと鳴り、それに子狐自身がびっくりして再び部屋の隅にかけ戻ってしまった。
一連の行動になのはたちの顔がほころぶ。
「この子、おなかがすいてるみたい」すずかがいうと、
何か持ってくるとなのはがユーノをアリサに預けて1階に降りていった。