「明かり、消すね」なのはが明かりを消すと周りが真っ暗になった。
外から漏れてくる街頭の光がうっすらとみんなを浮かび上がらせる。
「こうやって、なのはと寝るのって温泉のとき以来よね」アリサが言った。温泉…か。
「そのときはユーノもちょっと変わったフェレットくらいにしか思ってなかったのにね」
アリサはユーノの頭を抱えてぐりぐりと小突く。
「わ、アリサやめてよ」ともがくユーノ。その光景を見てなのはとすずかがくすくすっと笑う。
「そうそう。そこで私は初めてフェイトちゃんの名前を知ったんだよね」なのはの言葉に相槌を打つ。
「あの時、こっそりと部屋を出て行ったのはそういうことだったんだ」すずかの言葉にびくっとするなのは。
「あ、ばれてたんだ…」と、ちろっと舌を出す。すずかは寝ぼけてたからぼんやりとしか覚えてないけどと付け足した。
「あの時は、みんなに迷惑をかけられないと思ってたから…」なのはが申し訳なさそうにする。
「いいよ。そんなことは。ちゃんと私たちの前に戻ってきてくれたんだから」とすずか。それに合いの手を送るアリサ。
それから、なのはの名前を初めて知ったときのことや戦ったこと、かあさんのこと、
アルフのことなど、ビデオレターでは言えなかったことを中心に二人に話した。
すずかは少しだけつらそうな顔をした。まとわりついた影に聞かされたことを思い出したのかな。
「そうだったんだ…」すずかが目に涙をうっすらとためている。
「でも、今はあたしたちがいるから大丈夫よね」とアリサが親指を立ててウインクする。
私はうんと頷いた。なんだかとっても心が温かくなったような気がした。