「壊したり出来ないの?」
「出来るだろうけど、下手すればこの迷宮そのものが崩れて僕たちも一生出られないね。
多分生き埋めが先だけど」
「大体分かったわ。・・・明日の学校には間に合わないわね。何でこんなモン持ってきたのよ」
「・・・なのは達に壊してもらおうと思ったんだけど・・・」
初めてかもしれない。
コイツが苦笑いするのを見るのは。
「運が良ければ、1つ目か2つ目で見つけられるよ。がんばって、アリサ」
「アンタはどうするのよ」
「僕の代わりなら誰でも出来るよ。大丈夫だよ、きっと」
・・・何故だか、猛烈に腹が立った。
私自身にも何でこんなに怒ってるのか分からないくらい、頭にきていた。
何で私は怒ってるの?
「さ、行こう。アリサのさっきのセリフ通りにそこにいる人達みたいになりたくないし」
「そこにいる人?」
・・・・・どこのゲームの世界よ。
足元にガイコツが転がってるなんて。
「い・・・・」
「い?」
「嫌ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああっ!!!!!!!!!!!!!!!」
私の悲鳴は反響しながら、かなりの音量のままで遠くまで届いたに違いない。
普通に生きてたら絶対経験しないわよこんな事!!
だって見てみれば10mに3人くらいの割合で転がってるじゃない!!
「だから落ち着いて、って言ってるじゃないか」
「・・・?」
何?この違和感。
コイツ・・・こんな奴だっけ?
ううん、そうじゃなくて・・・セリフに無理が無いというか・・・
「・・・・・」
「何か言った?」
「・・・独り言。さ、行かなきゃ」
・・・言い様のない違和感と不安。
それでも怖いと思わないのは、コイツがいるからなんだろうけど・・・
何だか癪よね。
大丈夫なのに・・・私は何が不満なんだろう?