「はぁ・・・はぁ・・・。・・・終わったぁ・・・。やっぱりこんなモノ、先に壊しておけば良かったかな」
僕の周りには、蟲の死骸・・・
『そう見えるモノ』だ。この迷宮は、恐怖を具現化する。
だから、僕の前に立つのは・・・僕自身だ。
・・・僕自身への嫌悪、憎悪、苛立ち。いつも、何も出来ない自分への不満だ。
それが、僕の姿をしている。
「・・・なのは達なら、こうはならないよね・・・」
ナイフを抜く。
「誰も、見てなくて・・・良かったよ!!」
僕は、目の前の自分2人の首を力任せに刃で抉り取った。
紅い飛沫が、顔と身体に降り注ぐ。
・・・あと4人。
自分を殺す気分なんて・・・大した事ない。
誰か関係ない他人であっても、死んだ所を見たら同情を感じたりもする。
でも、自分だ。
だから、罪悪感も嫌悪感も・・・何も無い。