ギイィン! キィン!
フェイトと剣士が、クロスレンジで交錯する。
「チェーンバインド!」
アルフが剣士の足元を狙った鎖は、紙一重でかわされた。
しかしそこへ、フェイトが飛び込む!
「はああああ!」
「くっ!」 間一髪で受けきったものの、剣士は地面へと叩き落とされた。
「…サンダースマッシャー!」 ドオン!
(ナーイス、フェイト♪)(多分、まだだよ、アルフ)
フェイトの言うとおり、煙の向こうには剣を構える姿が見えた。
「随分と固いバリアみたいだね…」
「君達こそ、良い連携だ。とても子供とは思えん」
「…良いコーチに、鍛えられてますから」
「そうか。だが、騎士として、そう簡単に負けるわけにはいかない!」
再び交錯する閃光。目にもとまらぬ高速戦闘だった。
(…ここだ!)
距離が離れた瞬間、フェイトは中距離砲撃の態勢に入る。
「我が結界、容易く破れると思うな!」
剣士が間合いを詰める。
「そうだね、一人じゃ難しい。けど…」
「バリアブレェェイク!!」 バキィン!
「何!?」 上空から接近していたアルフが、剣士のバリアを破った。
「…私には、信頼できる仲間がいる」
ドオォォォン!!
今度こそ、文句なしのクリティカルヒット。勝負あり、だった。
「強い、な…。師は、あの黒衣の少年か?」
「はい。クロノも私の先生の一人です。あと…」
倒れた剣士に手を差しのべつつ、フェイトは笑った。
「あなたより強い剣士が、ライバルですから」