「シュート!」「くっ!!」
ドォン! なのはの砲撃が、再び魔導師を捉えた。
(くそ…バリアの上からでもこのダメージ…なんて魔力だ)
フェイト達とは大きく異なる、ミドルレンジからロングレンジにかけての射撃戦。
威力・精度・速度・防御…いずれにおいても、なのはが優勢だった。
「だが、接近戦なら!」
間合いをつめる魔導師だが、それもなのはの想定内。
「レイジングハート、ACS起動!」
羽根を讃え、光り輝く槍と化したレイジングハートを手に、逆に間合いをつめる!
「な…!? 零距離射撃!?」
気付いた時には既に遅し、レイジングハートが魔導師のバリアを撃ち抜いていた。
「私の勝ちです。降参してください!」
「…冗談じゃない。こんな所で捕まってたまるか!」
(この距離なら、砲撃はかわせる。転位魔法でおさらばだ)
停戦を呼びかけるなのはだったが、魔導師は魔法陣を展開した。
「! 逃がさない! レイジングハート!」
『OK, my master. Acceleration Shooter』
無数の光球が、魔導師へと放たれた。
「誘導弾か。大した数だが、単調だな!」
向かってきた複数個の弾丸を、魔導師が避けたと思った次の瞬間。
ドン! 別軌道からの攻撃が、魔導師の背中にヒットした。
「な…に…?」 ドドドン! ひるんだところへ、更に連続ヒット。
「ストラグルバインド!」
到着したユーノが、魔導師を捕縛した。
「ありがと、ユーノ君♪」
「いや…僕がこなくても、なのは一人で十分だったね」
「そんなことないよ。それよりどう? クロノ君直伝の操作弾!」
「うん、凄く良かったと思うよ。なのは、また強くなってる」
「ホント?」 ぱあっと、なのはの表情が明るくなる。
「うん。(…本当は、僕が守ってあげたいんだけど…)」
「ユーノ君?どしたの?」
「あ、いや、何でもない! 何でも!」
大袈裟に否定するユーノを、なのはは不思議そうに見つめた。
「あ、クロノ君は大丈夫かな? 局員のみなさんは?」
「大丈夫。僕とクロノの二重の防御結界張ってるから」
それに…ユーノは呆れた様子で笑った。
「クロノが1対1で負けるなんて、想像できる?」