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[226]jewel :【Turn against】 2006/02/05(日) 22:38:14 ID:WqraxQaC

【Turn against】 【U】

     ―2日後、5番艦『フェンリル』休息室―

「…ヒマだぁ!」
 ヴィータが声をあげ、椅子から立ち上がる。
「こらヴィータ、静かに」
 本を閉じ、苦笑いするはやて。
「だって…はやてが久しぶりの連休で、せっかく一緒に遊べると思ったのに…」
「しょうがないわよ、ヴィータちゃん。これも、大切なお仕事なんですから」
「その通りだぞヴィータ。第一、今我らがこうして主と共にいられるのは、
 管理局への協力が条件だという事を忘れるな」
「わあってるよ」
 ぷん、と拗ねるヴィータ。
「シグナム。シグナムも、そんなにぴりぴりしたらあかんよ。
 せっかくみんな一緒におるんやから、もっと楽しく過ごさんと。な、ザフィーラ?」
「はい」

 特別捜査官として、5番艦での任務補佐についていたはやて。
 レティ提督の計らいもあり、ヴォルケンリッターの四人がそれに付き従っていた。

「それにしても、今回の犯人さんって、何が『目的』なんですかね?」
「確かにな。管理局を襲っておきながら、ここまで死者がいないというのは妙だ。
 以前艦船に乗り込んだときには、あの魔導師は本局への『アルカンシェル』発射を
 示唆していたらしい。あれを本局に打ち込めば、それこそ犠牲者は数千人を超える。
 …そういう意味では、今の行動には一貫性がない」
 シャマルの用意した紅茶を飲みながら、シグナムが真剣な表情で語る。
「…みんなが、わたしの為に闘ってくれてたときと同じで、他の理由が?」
 はやての言葉に、騎士達の表情が曇る。慌てて、彼女は付け加えた。
「あ、みんなの事を責めてるんと違うよ! みんなは、わたしのためを思って、
 必死に闘ってくれたんやから。それに今のみんなは、たくさんの人を守る為に闘ってる。
 もし、シグナム達のことを悪く言う人がおったら、わたしが絶対に許さへん!」
 真剣な様子でそう語る主に、騎士達は微笑みで応じた。
「…有難うございます」 「…」 「はやてちゃん…」
「はやて…」 ヴィータが、はやてに抱きつく。はやてはよしよし、と頭をなでた。

「みんな、どーせなら、わたしらがあの魔導師捕まえて、クロノ君たちを驚かせたろ!」
「お〜♪」
 笑顔で手をあげる、シャマルとヴィータ。残る二人は、微笑と共に頷いた。

 ―この僅か20分後、彼女達の目の前に『EMERGENCY』の文字が現れる。


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