―時空管理局ミッドチルダ支部第9基地―
けたたましいアラート音から三分後、はやてと騎士達を待ち受けていたのは、
―以前戦ったのと同一形状の、傀儡兵の群れ。
「何だ、またこいつらかよ」
「シャマル、マスターの反応ある?」
「ええと…はい、まだあります! 3F東、カンファレンスルーム!」
クラールヴィントが、即座に『敵』の場所を導く。
「主、私が行きます! シャマル、ザフィーラ、主の守りを。ヴィータは遊撃を頼む」
「シグナム!?」
飛び出そうとするシグナムを、はやての言葉が制した。
「…これだけの数です。私が飛び回るよりも、貴方の広域魔法の方が遥かに有効です。
二人の後方で、呪文の詠唱を。それまでは、ヴィータがきっと時間を稼ぎます」
「…作戦、なんやね?」
「主?」
シグナムが、不思議そうにはやての表情をうかがった。
しかし、はやては真剣な表情を一瞬のうちに消して微笑む。
「…分かった。シグナム、一人でムリしたらあかんよ。すぐに駆けつけるから、
それまで時間稼いでてな?」
「はい。それでは!」
風をまとい、シグナムが飛び立った。
その背中を見届けると、はやては彼女の杖―シュベルトクロイツを空にかざす。
「さ、みんな。いくよ。早いとこやっつけて、シグナムのとこ行かな」