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[241]jewel :【Turn against】 2006/02/07(火) 18:46:06 ID:r/l1SA2h

【Turn against】 【Y】

 刹那、シグナムには、「何が」起こったのか理解できなかった。
 脳裏にあったのは、『疾い』という一語のみ。
 痛みは全く感じなかった。だからこそ、目の前にいる少年に、直ぐに反撃を試みた。
 しかし、攻撃を受け止めたはずの愛刀は…いつもの長さの半分にも満たない。

 そして次の瞬間―自分の肩口・胸から吹き出す鮮血に、シグナムは意識を失った。

「シグナム…?」
 部屋にはやて達が駆けつけたとき、目の前には信じがたい光景が起こっていた。
 魔導師ではなく、一人の少年の剣が…シグナムの身体をバリアごと「斬った」のだ。
「シグナム!!」
「くそっ!」 『Schwalbefliegen!』
ヴィータが弾丸を放つ。それを避けると、少年は4人から距離をとった。
 ザフィーラとシャマルがシグナムに駆け寄り、瞬時に結界を展開する。
「…傷が深すぎる。わたしだけじゃ、治療は…!」
 シャマルが、落ち着かない様子で言う。
「…テメエェェッ!」
「ヴィータ、あかん!!」
 目の色を変え、少年に飛びかからんとするヴィータを、はやてが止める。
「…撤退や。もう、魔導師もおらん」
「でもっ!! アイツが!!」
「ヴィータっ!」
 躍起になるヴィータに、はやてが涙目で叫ぶ。その声に、ヴィータは武器を収めた。

「撤退ですか…助かりますよ。4対1じゃ、とても敵いそうにないですし」
「…シグナムにもしもの事があったら、わたしらが絶対許さへん。絶対に…!」

 転位用の魔法陣の中で、はやて達は少年を鋭く睨み付けた。


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