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[278]jewel :【Turn against】 2006/02/09(木) 23:33:58 ID:CJ5ycULa

【Turn against】 【Ⅹ】

「…迎えに来てくれたのか。すまないな」
「…」
 シグナムの言葉に、リインフォースは答えなかった。
「主は、ご無事か?」
「心配ない。お怪我もされていないよ。…ただ、お前の身を案じておられた」
「そうか…申し訳ないことをしたな。だが、これで思い残すことはない。
 レヴァンティンもここにいる。…連れて行ってくれ」
 肩を撫で下ろし、小さく微笑むシグナム。

「…いいのか?」
「いいも何も、私は敗れたのだ。仕方あるまい」
「そうではない。お前の心に聞いている」
 リインフォースが、穏やかに問いかけた。
「確かに、お前は敗れた。だが、それはお前が『こちら』に来る理由にはなるまい」
「…『守る』と決めたのだ。この手で。それが適わなかった以上、私は…」

「主が、そう命じられたのか? 『シグナム、自分を守れ』と?」
「そうではない。私が、我が剣と、魂に誓ったのだ!」
「その通りだ、烈火の将よ。ならば、もう一度問おう。
 その『誓い』は、誰が為のものだ? 何故、お前はその『誓い』を立てた?」
「それは…」
 リインフォースの言葉に、シグナムが俯く。

「守るべきものが、貫くべき『思い』があるなら…お前はまだ、消えるべきではないよ」
「私は…」
(…シグナム!) その時、もう一つの声が、シグナムに届いた。
「そうだ、聞こえているだろう? どう応えるかは、お前次第だよ」
 リインフォースが、笑顔で見上げる先―声は、そこから聞こえている。

「私は…主と…八神はやてと、一緒にいたい…!」

 頬に一筋涙を伝わせながら、シグナムが言った。
 その言葉に、リインフォースが微笑む。彼女の主と同じ―心優しき笑顔。
「ゆくがいい、烈火の将シグナムよ。共に行けぬのは残念だが…いつか、また会おう」
「…ああ。そのときは、皆で」
 笑顔で、言葉を交わす二人。

 差し出された剣―レヴァンティンを手に取ると、シグナムの身体は光に包まれた。


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