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[414]jewel :【Against justice】 2006/03/18(土) 18:12:29 ID:S4pY4gKL

【Against justice】 【Z】

     ―2時間後、艦船『アースラ』―

「みんな、ちょっと集まってもらえるかしら? …緊急事態よ」
 ブリッジの扉が開き、リンディが神妙な面持ちで現れた。
「今、本局の方から各艦船の艦長に直接の命令が届いたわ。内容がこれよ」
 ピ、とモニターに映された文字に、なのは達の表情が一変した。

「そんな…」
「あんにゃろ… また同じコトしてくるなんて、どーゆーつもりだ…!」
「くそ、信じられない… 管理局の艦船にクラッキングだなんて」
 最も悔しそうな顔をしたのは、そう話したクロノだった。

「…1時間程前、ミッドチルダ近くの次元航路を航行中の5番艦に、DSがクラッキング
 を仕掛けてきたらしいわ。オペレーター達が対応したんだけど、15分後には艦内シス
 テムが完全にダウン。復旧前に、停止中の艦船に転位魔法で直接乗り込んできたそうよ。
 乗り込んできたのはDSのほかにもう一人いて、クラッキングはおそらくその人間によ
 るものだそうだけれど…正直、私も信じられないわ。闇の書のときのリーゼ達のように、
 管理局内部の人間ならともかく、外部から個人でやってのけるなんて、正に特Aクラス
 のハッカーだわ」
 両腕を組み、リンディが視線を鋭くする。
「それで、本局の方に向かってるっていうのも、ホントなんですか…?」
「ええ、そうみたいよ。このままの速度なら、6時間後に到着するわ」
 6時間―余りに短すぎるその時間に、魔導師達は表情を曇らせる。

「…艦長。この命令が実行可能なのは、僕たちアースラ以外に、他に何隻ですか」
 静かな声で、クロノが口を開いた。
「…現在位置から考えて、相手の本局到達前に進路に割り込めるのはアースラだけよ。
 他の艦は、間に合ってもギリギリ本部直上ってところかしら。本部で整備中の船も、
 大至急作業しているようだけど…間に合いそうにないわ」
 リンディが辛そうに答える。
「…やるしか、ないって事ですね…」
「クロノ!」「クロノ君!」
 皆に名前を呼ばれた若き指揮官は…無機質な命令の最後の一文を、じっと見つめていた。

―尚、五番艦の奪還は困難を極めると予想される。因って艦長には、
各館搭載の『アルカンシェル』の発射を許可する―


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