時間にして、3分ほど経っただろうか。
クロノの胸に顔をうずめ、泣いていたエイミィが、少しだけ顔を離した。
椅子に座ったまま、彼女はクロノの体に腕を回している。
クロノは身動きもとれず、エイミィが落ち着くのを待っていた。
「…大丈夫?」
「…うん。ありがと」
横向きにして、エイミィがトン、とクロノの胸に顔を添える。
「な、何か僕に手伝える事があれば、言ってくれないか…? その、なんでもいいから」
エイミィのその仕草に少しだけドキッとしながらも、クロノは言った。
「うーん、そーだなぁ…」
ぼうっとした様子で、壁の方を見ていたエイミィは、
「…休暇がほしい」と小さく呟いた。
「うん、 必ず申請するから」
「クロノ君も一緒だからね」
「? まぁいい、分かったよ」
「…あと、お気に入りのブランドが夏新のトートバッグ出したの。それが欲しい」
「う、うん、分かった…というかエイミィ、僕が言ってるのはそーゆーコトじゃなくて…」
「それとね…」
エイミィが再びクロノの胸から顔を離すと、今度は彼を見つめながら言った。
「『愛してる』って、言ってほしい…」