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[214]jewel :【Against justice】 2006/04/22(土) 07:46:15 ID:Cb7Vb5Qm

【Against justice】 【]Z】

 深呼吸をするエイミィ。斜め後ろに立つクロノが、その肩に手を置く。
「流石に、緊張してきちゃったよ」 苦笑いを見せるエイミィに、
「いい傾向だよ」と彼は笑顔を返した。
「エイミィ、変に聞こえるかもしれないが、『集中しよう』とするな。そこに意識が
 向きすぎた時点で、それはもう本当の集中じゃない。自分の中にある緊張感を、
 客観的に感じ取るんだ。適度な緊張感と冷静さがあってこそ、最高の集中力が生まれる。
 …そう、『窮時にこそ』」
「『冷静さが最大の友』でしょ? OK、任せて」

 そして、二人のやり取りを、少し後ろから見つめる魔導師達。
(もう、お兄ちゃんたら。一言『頑張れ』って言ってあげれば、それで十分なのに)
(でも、クロノ君らしいアドバイスだと思うな、とっても)
(うん。エイミィさんも、リラックスできてるみたいだし)
(アタシらは信じるだけさ。絶対大丈夫だってね。そーだろみんな?)
 言葉も、頷きも必要ない。思いは一つだった。レーダーに映る二つの艦の座標が、
点滅しながら次第にその距離を縮めていく。

「それじゃ、いくよ………スタート!」


   ―5番艦、『フェンリル』―

 警告音に、女性がキーボードを打ち始める。
「ふーん…撃ってくる気配が全然ないと思ったら、こういう事なのね」
「ウイルスですか?」 魔導師―ディノは、落ち着いた声で尋ねた。
「ええ。複数のウイルスを、ご丁寧に亜種付きで送ってきてるわ」
「大丈夫、と考えても?」 「勿論よ」
 全く慌てる素振りを見せず、女性は修正プログラムを構成していく。


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