「そうだ! みんなも一緒にいこーよ!」
― え ? 何 で す と ?
何とか落ち着きを取り戻したと思いきや、今度はなのはの言葉が届く。
「あ、ほら、わたしは…その、クロノと本局の方で仕事があって…」
「う、ウチらも、ちょっと用事が入ってて…」
「そーなんだ。ちょっと残念だね、ユーノ君」
「うん。でも、 『 用 事 』 ならしょうがないよ」
そういって、フェイト達に笑顔をむけるユーノ。
(アカン、やっぱりなのはちゃん、全っ然わかってへん!)
(てゆーか、ユーノのあの笑顔が怖い…)
ユーノと視線を合わせぬよう注意しながら、なんとか念話をつづける一同。
「はやてー。『用事』って、なんかあったっけ?」
「!」
ヴィータの無邪気な質問が飛ぶ。
「…ほら、その…アレやよ、アレ」
「あれ?」 主の苦しい言い訳に、首をかしげるヴィータ。
「グレアムさんのところに、ご挨拶に伺うのよね、はやてちゃん?」
(…ヴィータちゃん、話合わせなかったら、明日から1週間おやつ抜きますよ?)
(!?)
シャマルの絶妙すぎるフォローに、再び時が流れ出す。
「そ…そーだったね。すっかり忘れてた」
「そ、そうそう。もう、忘れたらあかんよ、ヴィータ」
あはは… どう考えても不自然な笑いが、ブリッジを満たしていた。
(クロノがいなくて、本っ当に良かった…)
生真面目な兄の不在に、肩を撫で下ろすフェイトだった。