「うわ…1時間待ちだって。どうしよっか?」
人気のアトラクションに並ぶ長蛇の列。最後尾の係員が抱えるプレートを見て、
ユーノが驚いた。
「こんなに混むものなの?」
「このアトラクション、この前テレビでも注目されてたから…」
行列に加わるのをためらう二人。
(さぁ〜これは予期せぬ展開か!? どーするユーノ君!)
(あのさエイミィ…ずーっと言おうと思ってたんだけど、これって完全に盗聴だよね…)
(フェイトちゃん甘い! 親友の恋を応援するのは、当然の努めでしょ!)
通信無線&音声傍受の携帯デバイスを片手に、盛り上がるエイミィ。
『並ぶ? それとも、疲れるからやめとこっか?』
『私は、どっちでも…ユーノ君は?』
『僕は、待ってる間、なのはと話せれば十分楽しいけど…』
『………///』
『なのは…?』
(おーっと! 再びユーノ君、直球勝負に出たぁ! 解説のシャマルさん、どーでしょう?)
(はぁい、とっても有効だと思います♪)
(でもあのセリフ…普通の男の子に言われたら、ちょっと引くかも…)
(ユーノ君の爽やかキャラが為せる特権や♪)
(それを無意識でやってる辺りが、ユーノ君の長所なんだよねぇ〜♪)
『…やっぱり、やめとこっか。えーっと…あ、ここにグッズの販売店があるみたい。
行ってみようよ』
『う、うん………あ』
パンフレットをたたみ、なのはの手を取るユーノ。
手をつないだまま、二人は別の向きに歩いていく。
(出たぁ! ユーノ選手、ここで一気に攻める〜!)
俄然テンションが上がる、時空管理局執務官補佐。
(こ…これはホントに、もしかするかも…)
他の魔導師達も、予想を超える展開にえもいわれぬ高揚感を抱いていた。