―テーマパーク内レストラン『ハニードール』―
さて、今更検証するまでもないが、一応先程の場面に本人達の台詞を加えると。
会話を続けていたユーノが、なのはの頬が妙に赤いことに気がついた。
「なのは…何か、顔赤くない? 大丈夫?」
「え? 全然大丈夫だよ、うん!」
少し慌てたものの、笑顔でそれに答えるなのは。しかし、彼女の頬は赤いままだ。
(も…もしかして…なのはの様子がいつもと違うのって…具合悪いとか、そういう…)
ユーノが、なのはの頬に触れる。
(やっぱり、ちょっと熱い…)
「ごめんなのは、ちょっといい? 熱、あるかも」
「だ、大丈夫だよ〜」
苦笑いするなのはだが、ユーノは顔を近づけ、おでこを当てる。
「…やっぱり。ゴメン、無理させちゃって。出よう。帰って休まなくちゃ」
「そ、そんな、ホントに何でもないのに」
「ダメだよ。ほら、早く」
なのはの手を取り、立ち上がるユーノ。なのはへの、申し訳ない思いで一杯だった。
―2時間後、艦船アースラ―
(き、きまずい…)
ブリッジ内に流れる空気に、誰もが口を噤んでいた。
「君達…一体どーしたんだ? 確かに反省してくれとはいったが、
そんなに酷く落ち込まなくても…」
事情を全く知らないクロノも、流石にこの雰囲気には耐えられないようだった。
「ユーノ…君からも何か言ってやってくれ。僕はそんなにきつく叱ったつもりはないんだ」
(い、一番話をふっちゃいけないヒトに、ピンポイントで)
(これもクロノ君の才能かな…)
エイミィとはやてが、あちゃ〜、と溜め息をつく。
「ごめんクロノ、僕もちょっと休ませてもらうよ」
落ち込んだ様子で、司令室を後にするユーノ。
「…何があったんだ?」 クロノが周囲を見回す。
「うーん、予想以上の重症ですね…」
「しゃーない、ウチがなんとかするわ。みんなはここに残っててな」
はやてが後を追い、司令室を出て行った。