―アースラ司令室―
3日後。アースラの司令室に、馴染みの顔が集まった。
「という訳で、今回の任務の概略は以上だ。連続する遺跡破壊、なんとしても
僕たちアースラチームで止める」
クロノの声に、一同が頷く。
「でもクロノ、どうやって犯人を捕まえるつもり? 手がかりとか、一切無いんでしょ?」
「フェイト、それについての説明は、そこのフェレットもどきから」
「うん、分かった…ってオイ!」
「わー。ユーノ君ノリツッコミぃ〜♪」
場に流れていた緊張感(…若干一名を除いて)が、ふっと途切れる。
コホン、と一度咳払いをすると、ユーノはモニターを起動させて話し始めた。
「今まで襲撃された遺跡の位置と傾向から、僕が候補を3つまでしぼった。
この3ヶ所に、僕たちがそれぞれ待ち伏せて、相手が現れるのを待つ」
「今までの事件はいずれも、一週間から10日の間隔で起こっている。
現れるとすれば、今夜から明日に掛けての確率が高い」
クロノが付け加えた。
「うまくいけば、相手の隙をつけるってことだね」
モニターを見つめながら、フェイトが言った。
「ああ…そのかわり、今回も個人の能力に頼る部分が大きい。敵の戦力が未知数な分、
危険も大きいかもしれない」
「大丈夫だよクロノ君! みんなで力を合わせれば、絶対大丈夫!」
なのはの笑顔と決意に、一瞬呆気にとられる一同だったが、すぐに笑顔を取り戻した。
「…相変わらず、なのはは私たちのムードメーカーだね」
「ホント♪ なのはが言うと、本当に大丈夫な気がしてくるんだよねえ」
ぽんぽん、とアルフがなのはの頭をたたく。
「な、なんか微妙に誉められてないかも…」
そんななのはの様子を見ながら、クロノとユーノは互いに頷いた。
「みんなに、もう一つ朗報を。今回の作戦で、彼らに協力してもらうことになった」
エイミィ、とクロノが呼びかけると、OK、と司令室の扉が開く。
見慣れた騎士達の姿が、そこにあった。
「…我ら、守護騎士ヴォルケンリッター。主の命により、参上致しました」