―アースラ医務室―
(…ん………白い……天井…?)
ユーノが目を覚ましたのは、医務室のベッドの上だった。
瞬間、先の戦闘の光景が、思い出そうとするよりも早く脳内を駆け巡る。
「!!」
緊張で体が強張るも、極度の疲労感が襲ってきた。
「ユーノ君! 良かった…!」
ユーノの目覚めに気付いたなのはが、笑顔でベッドに駆け寄る。
それと同時に、ユーノは肩を撫で下ろした。
(そっか…守った…守れた…)
なのはがここにいる意味。ユーノには、それが何よりも嬉しく、誇らしかった。
「クロノ、は…?」 自分のものとは思えないほど重い体を、半分だけ起こす。
「軽い脳震盪だったんだって。今はもう大丈夫」
「そっか…流石っていうべきなのかな」 言いつつ、ユーノは微笑った。
「…あの魔導師は?」
「…その…ごめん、逃げちゃったの。スターライトブレイカーは直撃させたんだけど、
その時にリンディさんとクロノ君の協奏結界も一緒に壊れちゃって…
それで、煙の中で、転位魔法使われて…」
なのはが、申し訳なさそうにうつむく。
「その…ごめんなさい。ユーノ君とクロノ君が、必死になって守ってくれたのに…
それなのに… ほんとに、ごめんなさい…」
彼女は、静かに泣いた。涙の落ちるその手に、ユーノがそっと手を重ねる。
「ううん、なのはが無事で良かった。ほんとに。それに…助けてもらったのは僕の方だし。
どうもありがとう、なのは」
「……! ユーノ君…!」
なのはが、ユーノに抱きつく。ありがと…と彼女は涙を溢れさせた。