Virgin break3 告白



それから、ようやく逢う日になる。
彼と一緒にショッピングに行って、いろいろなものを見る。
彼と他愛ない話をしている時が楽しい。
彼の聞かせてくれる話はみんな面白くて、ユーモアのある人だと
いうこともわかる。
子供みたいに笑う私を、彼が優しく見てくれる。

でも、まだひとつ不安なことがある。
それは……彼にまだ好きだと言っていないこと。
彼からもそういう言葉はなくって、ただ逢って時間をともに過ごして
いる。
つきあってる、っていう状態なのはわかる。
抱きしめてキスしてくれることも、好きだという気持ちからしているし
私も彼が好きだから受け容れている。
それでも、やっぱり言葉が欲しい。
そんなふうに頭に考えを巡らせながら、彼と手を繋いで歩いている。
私が少し黙ってうつむいていると、彼はそれを気にしてくれたようだった。
「どうしたの?元気ないみたいだけど」
「ん……」
なんでもない、とは言えない。
現にこうして考え込んでいるんだから。
二人でいる時にちゃんとこのことを伝えたい。
「なにか悩みでもある?話を聞くよ」
こんな人混みでいっぱいの、雑踏の中で話をする内容じゃない。
静かな場所で向き合って話したい。
「公園とか……静かなところに行きませんか?」
「そうだな。じゃ、そうしようか」


「真面目な話、どうした?」
夕闇が迫りつつある中、公園の奥まった池まで歩き、私たちは柵に
よりかかるようにしていた。
「私……黒澤さんのこと好きです」
思い切って、そう言ってみた。
彼の目を見て言うことができない。
……私のこと、あなたはどう思ってるの?
そう聞きたいけど、彼からの返答を待つ。

「そう……か。まだ言ってなかったんだな……」
彼は深くため息をつき、頭に手をやった。
私の目を正面から見据えると、私の手をとって話した。
「俺も、愛美さんのことが好きだよ」
そう言ってから、抱き寄せてくれた。
きついくらいの力で抱きしめられて、私は彼の胸に包まれる。
「好きじゃなきゃ、こんなことはしない。また逢いたいだなんて思わない。
……女の子は、口に出して欲しいものなんだろ?ごめん。気がつかなくて」
私は嬉しさと幸福感で胸がいっぱいで、なにも言えなくなってしまった。
ただ黙って首を振る。
好きだと言われてつきあい始めたわけじゃなかったから、少し不安に
なっただけ。
私は彼の背中に回した腕に力をこめて、彼を抱き返した。
顔を上げると、彼と目が合う。
そのまま、お互いに自然に唇を合わせる。

彼とのキスは、いつも苦しいほど深く、そして幾度も繰り返される。
そこからネッキングに移ると、それまではこらえていた声が出てしまう。
彼の唇が私の首筋を、耳元を、肩口を這うたびに淫らな声が勝手に
喉を震わせる。
「ああ…………」
息を弾ませる私の胸に彼の手が当たる。
大きな掌で、器用そうなきれいな指先で、丁寧に私の乳房をまさぐる。
着ている薄手のニットの裾を、彼の手がゆっくりとまくり上げてくる。
キャミソールも一緒にめくられ、素肌に彼の温かな手が触れた。
まずブラジャーの上から……
乳首を探すように、胸の中央の部分を撫でてくる。
彼の手が背中側に移り、ブラのホックを探りあてられて、外される。
布の拘束を逃れた乳房が、彼の手の中でたわむ。
両方の乳房全体を覆うように優しく揉まれ、次にそっと乳首に指先が
触れられた。
「あ……」
思わず小さく喘いで、喉を反らす。
鮮烈な快感が、乳首から腰を伝って電流のように身体を流れる。
指で乳首をつまむようにされて、二本の指を使ってこするように刺激
されると、もう声が止まらなくなってしまった。
「ああ……。あ、あ……」
それと同時に腰も蠢いてしまう。
じっとしてなんかいられない、むずがゆいような、それでもとても
心地いい感覚。

「……気持ちいい?」
耳元で、彼が声を低めて囁く。
「……あ……ああ……」
そのことだけで、彼の熱い吐息を耳に感じるだけで、もう濡れていって
止まらない。
夢中で彼の問いかけにうなずく。
彼が、私の上半身を覆っている服をさらにめくりあげた。
私の胸が、無防備に彼の眼に晒されてしまう。
大きくはないけど、形はいいと言われる。
「きれいだ……」
彼は軽く息を弾ませながら、そう言ってくれた。
恥ずかしい……こんな場所で、こんなこと……
戸惑っていると、彼が私の胸に顔を近づけてきた。
いきなり乳首を唇で吸いはじめる。
「ああっ…………」
声をあげてから、しまったと思って口に手をやる。
だって、こんなことをされて耐えられない。
勝手に声が出てしまう。
これ以上のことをされたら、いったいどうなってしまうのか。
それでも乳房に吸いつく彼の顔をかき抱いて、彼の施す性戯に
夢中になってしまう。
 
「……あ……はぁっ……」
胸が、快感で溶けてしまいそうだった。
彼の舌で、唾液とともに溶かされてしまいそう。
それほどの快楽が、絶えず私の身体に送り込まれていた。
どれくらい乳房を愛撫されていたのか、わからない。かなり長い時間の
ように感じていた。
彼の口が胸からようやく離れて、今度は唇へのキス。
滑らかな柔らかい彼の舌を受け容れながら、私のスカートの裾に
彼の掌が当てられた。
咄嗟に、その手を私の手で押さえてしまう。
「ここは駄目?」
優しく囁く彼の声が、たまらなくセクシーに響く。
そんな風に言わないで……
駄目だなんて、言えなくなってしまうから。
ゆっくりと首を振る。
私の手の力が抜けていき、彼の手から離れていく。
それをOKのサインと受け取ったのか、彼の手が腿を伝い、私のスカートの
中に入ってくる。
今日は膝丈のフレアスカートだから、ひらひらとしたスカーフのように
軽い布が、あっさりと男の手の侵入を許してしまう。

すぐにショーツには触れずに、腿の表面をそっと撫でてから。
それから、私の濡れているあそこに指が……
私は息を吐きながら、彼のその手の動きをこらえた。
ショーツのまん中、一番大事な部分を守る布に彼の指が触れた。
「は……あ…………」
苦しさを覚えるほど気持ちよくて、頭の芯がぼうっとしてくる。
「濡れてる……」
ぽつりと彼が呟いた。
その瞬間、背筋がゾクゾクとするような興奮と快感が迫ってくる。
指先を押しながら、私のもっとも敏感な場所へくすぐるように愛撫を
始めてくる。
決して強くはしないで、優しく触れるか触れないかくらいの柔らかい
タッチで、私の誰にも開いたことのない部分をさぐる。
だめ……気持ちよすぎる……
下半身が痺れたようになり、足が小刻みに震えていくのがわかる。
このまま、少しそこに力を入れたらイってしまいそうなくらいだった。
きっと、あそこはとろとろになった私の液で溢れているはず。
お願い、じかに触って……
もっと気持ちよくさせて。もう駄目、我慢できない……

ショーツの中に、待ち望んだ彼の指が忍び入ってきた。
濡れきっている部分をかきわけて、私のはざまに指先をすべりこませる。
「ああ……ん」
私は思わず彼の手を両足ではさみこんでしまった。
クリトリスの周囲を、そっと……そっと、こすってくる。
そこから膣口の近くにまで指を動かしながら、クリトリスも別の指で
押すようにされる。
ほんとうに、もうすぐイってしまう……
もう私は声も出せずに彼の肩にしがみつき、彼にされるままになっていた。

鋭い快楽の火花が散る。
彼の肩口を掴む手に力がこもってしまう。
ガクガクと、膝が笑ってしまって立っていられなくなる。
腰から爪先にかけて突っ張らせて、絶頂を逃すまいと身体で受け止める。
私の頬はきっと上気しているだろう。
快感の津波が下肢から全身を貫き、それに身を浸して溺れてしまう。
大きな波が去っても、そのあとに続く小さな余韻を繰り返し味わっていく。
あそこから……もう私の愛液がこぼれて、流れていってしまう。


「……大丈夫?」
朦朧としているところに彼の声がかかり、私はやっと我にかえった。
もう彼の手はあそこから離れ、今にも崩れ落ちそうな私の身体をしっかりと
抱きとめていた。
「……立って……られない……」
私は乱れた吐息の中で、ようやくそれだけ言うと彼に抱きついた。
「……感じてた?」
彼が少し笑いのこもった声で言う。
顔が羞恥で熱く熱く火照る。
うなずくと、彼は私を抱きしめながら言った。
「俺も感じてたよ……愛美が可愛いから」
名前を呼び捨てにされて、くすぐったい気持ちと喜びでいっぱいになる。
「欲しい……」
かすれた声でそう言いながら、彼の唇が私の耳につけてくる。
「きみが欲しい」
今度ははっきりとそう言われて、胸と腰に、ズキンと響くような衝撃を感じた。

ここまでされて、狡い……
そんなふうに言うなんて。
私を求めてくれるのは、とても嬉しい。
だけど、やっぱりまだ少しこわい。
こんなふうにペッティングされるだけなら、気持ちよくていいのに。
彼の指でイかされてしまったあそこが、まだ熱をおびて潤っている。
でも……やっぱり言わなくちゃ。
軽く身体を許してしまう女だと思われるのも嫌だった。
「わたし……」
私は思いきって口を開いた。
「うん」
「私……初めてなの。まだ……男の人に、抱かれたことないの……」
彼の胸の中にもたれながら、私を見つめている視線を感じる。

「そう……」
彼はそう言うと、少し考えている様子だった。
「じゃあ、続きは今度にしよう」
彼は微笑を浮かべる。
「…………」
初めてだから、面倒なのかな。
ううん、きっと私の気持ちを尊重してくれているんだ。きっとそうだ。
「女の子って、いろいろ初めての時ってあれだろ、夢とかあるんだろ?
ハイクラスなホテルでとか、かわいいペンションみたいな所がいいとか」
「いいの。私はどこででもいい」
「でも、初めてが公園で……ってのは嫌だろ」
彼の真面目だか冗談だかわからない言葉に、私は思わず笑ってしまう。
「でも、ほんとに……いいの。……ラブホテルとかでも、全然……」
繋がりを持てるのなら、そういう場所でもかまわないのは本当だった。
もう外は闇の中で、お互いの表情をやっと読むだけの暗さになっていた。
ふっ、と彼が笑った。
「また今度、逢える時に考えておいて。希望があるなら、ご期待に沿うよ」
「いいったら……」
腕を組んで、また歩き始める。
さっきまでのお互いを包んでいた情欲の炎はかき消され、今はまた
明るい表情に戻っている。

私を求めてくる彼の、男の表情がとても好きだった。
真剣で、それでいてセクシーな……
切れ長の、きれいな瞳で見つめられるとたまらなくなる。

今日初めてBを許して、きわどいところまで進んだところなのに……
……でも、既に経験していたら、そのまま彼に抱かれることはできる
だろうか。

次は四日後。まだあまり時間の猶予はない。
彼はとれた休みのスケジュールを、私にすぐ教えてくれる。
逢えるうちに逢っておかないと、いつ事件などで休みがつぶれるか
わからないんだと苦笑いしながら言っていた。




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