05 - 隷属の証 怯むシャンルを、黒髪の男が押さえつけた。男は獰猛そうな笑みを浮かべながら、少年の両膝を持ち上げる。股を開かれて、少年の青白い頬にかすかに赤味がさした。 「やっ……やめてください! お願い……」 潤んだ瞳を向ける先では、ジェイクが棚をまさぐっていた。貴公子は一番大なバイブレーターを手にすると、思い出したように振り返る。 「そういえば、紹介がまだだったな。私の友人、レイオスだ。元はフリーの傭兵で、拷問の達人でもある」 「よろしくな、坊や」 レイオスは細い膝を抱えたまま、少年の顔をのぞき込む。その目は、獲物を狙うタカのように見えた。 「じゃ、始めようか」 言って、ジェイクはバイブを近づける。シャンルはそれから逃れようと、必死に腰と首を振った。 「やめてください! やめてーっ!」 慣らすこともせず、鈍い銀色の太いバイブが、無理矢理奥に押し込まれた。 「アアアアアアァァ――ッ!!」 悲痛な叫びがほとばしり、腰が跳ね上がる。 ジェイクは体重を乗せるようにして、金属の塊を奥に埋めた。振動のスイッチが入れられると、完全に飲み込んで収縮した穴から、赤い雫が滴る。 「いやあぁぁあ!! あっああアァァ――ッ!!」 レイオスが、押さえつけていた手を放した。少年はベッドの上でのたうち、何度も腰を浮かせ、ビクンビクンと痙攣する。 青年達は、しばらくの間、それをじっと眺めていた。 だが、やがて、レイオスが少年の小さな性器を、たくましい手でからめとった。 「あっ、ああぁぁッ!!」 少し乱暴に、シャンルの敏感なところがいたぶられる。太い指がその間にはさみこんだものをねじり、強くしごいた。 「はあッ、あっあっあう!!」 痛みに、快感が混じり始める。身体の前後を別の存在に刺激されて、頭がぼうっとなった。熱く張り詰める衝動にもてあそばれ、呼吸がうまくいかない。 「ん……やっ、あ……あぁっ!! ぁんっ……あ、う」 「いい声になってきたじゃねえか」 レイオスが笑い、さらに手の動きを激しくする。 「やああぁぁっ、あう、ああ――……!!」 ドクン。 なにかが、少年の中で弾ける。彼は大きく腰を浮かせた。 「ああっああぁんっんん――――っ!!」 白濁した液体が、色白な太ももの上に飛び散る。 「まだ、寝るのは早いぜ、坊や」 シャンルは朦朧としていた。快楽の余韻と、鈍い痛みをともなうバイブの振動は感じていたが、視界は白みかけている。 それを、レイオスが頬をはたいて呼び覚ます。 「本番はこれからだ」 言って、彼は少し身を引いた。ジェイクが白いカプセルのようなものと、太目の針金を手にして近づいて来る。 背を丸めてベッドに横たわっていたシャンルは、レイオスに後ろから拘束され、ようやく我に返った。 「あ……い、いや、もう……」 「これから始まるんだ」 ジェイクが冷徹に言う。レイオスがシャンルの膝を持ち上げ、股を開かせた。 怯え、シャンルは逃れようとするが、レイオスの押さえつける力は強力だった。少年の細腕では、到底かなうはずもない。 「私がきみのマスターである証だ。受け取るといい」 ジェイクは言って、少年の性器の先端に、カプセルを突き入れた。 「――ッ!!」 信じられない感覚が、シャンルを襲う。 異物をねじ込まれている先端が、どうしようもなく熱かった。それは、感覚がより身体の内側に向かうにつれ、別の、さらに激しい衝動に変わる。 「イヤアアアアアアア――――ッ!!」 凄まじい痛みだった。 甲高い絶叫を上げながら、彼の意識はぼやけてはまたはっきりするのを繰り返した。その間も、激痛はとどまることなく弾け、それどころか、増していく。 ジェイクはカプセルが奥に食い込むと、針金を入れ、押し付けた。 「やッやッやああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁああッ!!」 とうに、理性など吹き飛んでいた。 それどころか、それは常人ならば気が触れていたかもしれないほどの衝動だった。管に対して大きすぎるカプセルが、無理矢理ずぶずぶと尿道の奥に飲み込まれていく。 シャンルは気を失うこともできず、意味をなさない言葉を全力で叫び続けた。針金を入れられてそそり立った性器の先端から、赤いものがポタリポタリと滴り落ちる。 やがて、カプセルは、どこかに辿りついたようだった。 ジェイクが最後の一押しをすると、痙攣を続けていた身体がさらに大きく揺れ、ピクンと背中が反らされる。 「ア、ウァ――ア……ッ!!」 声にならない声を吐き出すと、力尽きたように、ガクリとうなだれる。 それから彼は、3日間目覚めることはなかった。 |