Curiosity killed tha cat.

<4>


「はぅっ、あっ、ぁっ…ん、やぁ……あぁっ…!」
 仄かな照明の光のみが部屋の中を照らし、その明かりが作り出す影がゆらゆらと踊る。
 壁にうっすらと映り込んでいる二つの人影うち、激しく揺れる上側の影の動きに合わせ、ぎしぎしとベッドのスプリングが軋む。その音に重なるように、女の喘ぎが途切れなく上がる。
 スパイクは両手をベッドにつき、荒い息を吐きながら湧き上がる衝動のままにフェイを貫き続けていた。
 女の中はぬるぬると溢れ出した蜜でよく滑り、何の抵抗もなく男を受け入れていたが、膣奥を突き立てるたびに蠢く柔襞が侵入者を逃すまいとするかのようにギュッと締まり、愉悦の波が背筋を駆け上る。その誘いに抗うように、更に激しく腰を動かす。
 催淫剤による昂揚のためか、異様に熱く滾る欲求に抑えが効かず、組み敷いた女をひたすらに貪り続けることだけが頭を支配している。
 また一方で、両手を拘束され、半ば強引に蹂躙されているにも関わらず、そんな彼の乱暴なまでの抽送にも極上の反応を示し、どんな男をも煽る淫靡な美しさを湛えて自分の下で乱れ喘ぐ女の嬌態が、彼の昂ぶりにより一層拍車をかけていた。
 硬く膨張した自身を奥まで突き立てるたびに仰け反る白い肌、ざわりと蠢いて絡みつく膣壁、甘く響く艶やかな鳴き声。それらすべてが今は彼を欲情させた。
 敏感な部分を抉るように突き立てると女は悲鳴に近い喘ぎを上げ、自由にならない体をびくびくと歓喜の波に震わせる。
「やぁっ……あ、んっ……いや、やめ……、あぅ…!」
 悩ましげな声音の中に、未だ弱々しい拒絶の言葉を覗かせながらも、彼の容赦ない責めによって送り込まれる快楽の電流は彼女の思考を掻き乱し、痺れさせ、体が勝手に返してしまう素直な反応をどうすることもできない。
「あぁっ……あっ、ふ…、んんっ…ぁあっ!」
 一度溢れ出してしまった声はもう押し留めることができず、体を快感が貫くたびに震える唇からかすれた嬌声が止め処なく上がる。
 両手を冷たいベッドパイプに捕えられ、残り全ての自由をスパイクに奪われた彼女に許されているのは、ただ彼から与えられる快楽に身悶えることだけだった。
 そんな彼女を更に乱れさせようとするかのように、スパイクは息を切らせながら激しくフェイを揺すり上げ、奥まで叩きつけるように腰を打ちつける。
「あっ…ん! あっ……あっ、ダメっ、もう……あ、はぁぁんっ!」
 次々と襲いかかる快感の荒波に成す術もなく呑み込まれ、フェイはあっという間に白い高みへと押し上げられた。
 細身の体がぶるぶると震え、中襞がざわっと蠢き彼にまとわりついてくる。その絞られるような感触に呻きつつも、男のそれは鎮まる気配もなく、余計に昂ぶっていくようだった。
 スパイクは喉の奥を小さく鳴らし、一度大きく息を吐いたかと思うと、俄かに上体を起こして膝立ちになる。そしてフェイの艶やかな腰を両手でぐいっと高く持ち上げ、再び律動を開始した。
「あぁん! あっ、あっ、はぁぅっ」
 腰を持ち上げられて結合部がより密着した形になり、先ほどとは違う角度で強く突き入れられ、フェイの背中が反り返る。
 スパイクは更に深く彼女の中の感触を味わおうとするかのように、硬さを増した怒張を大きく抜き差しさせ、競り上がる衝動のままに抽送を繰り返した。
「はぅっ……んぁぁ! っあ、だ…だめ、そんな、激し……あんっ!」
 余韻に浸ることも許されず、与えられ続ける刺激はフェイを再び快楽の渦へと引きずり込む。膣内を激しく前後する熱の摩擦と、尖端が奥深い部分を突く甘い衝撃にただ悶えることしかできない。
 蹂躙される蕩けた秘肉がスパイクに吸い付き、絡みつく。自身を根元まで突き入れるたび、下半身が燃えるような熱さに包まれ、震えるような悦楽が彼の脳裏を駆け巡る。
 その快感を追って両手で捕えた彼女の腰を引きつけ、時折自らも腰を回しながら抉るように彼女を貪る。柔襞の中で凶器は縦横無尽に暴れ回り、膣内のあちこちを乱暴に擦り回してフェイの快楽神経を侵していく。
「あっ、あっ……あああっ!」 
 一度絶頂を味わわされて更に敏感になった体は休む間もなく快感に翻弄され、膨張した熱い塊りが膣奥を叩くごとに悦楽の奔流が彼女の理性を押し流す。
「ひゃうっ、あっ…、あっ、だめ、また、イっちゃ……ん───っ!!」
 かぶりを振りながら引きつったような叫びに体を震わせ、フェイは再び絶頂へと押し上げられた。体中を走る愉悦の波にさらわれ、全身を硬直させる。膣壁は幾重にも蠢いて彼自身を更に奥へ引き込もうとするように締め付ける。
「くっ…」
 その至極の誘惑にスパイクの口から小さな呻きが洩れ、動きが一時止まる。
 束の間体を強張らせた後そのままフェイと共にベッドに沈み込み、肘をついて荒い呼吸を繰り返す。
 フェイは息を次ぐ間もなく呑み込まれたエクスタシーの余波から抜けられないようで、ぼうっとした瞳を宙に向けたまま胸を上下させている。
 二人とも無言のまま、湿った熱を吐き出す息の音だけが部屋を支配する。
 やがて呼吸を落ち着かせた後、スパイクは少し上体を起こして自分の下になっているフェイを見た。
 彼女の眼差しは快楽の名残りに捕われ、頬は熱っぽい薄紅色に染まり、汗の皮膜がうっすらと浮かぶ肌は上気していっそう艶めいていた。拘束された両腕を持ち上げる余力は既にないようで、ぐったりと枕に沈んでいる。
 普段は意識することもなかったはずの極上の「女」のすべてがそこにあり、同時にもっともっと彼女を貪り尽くしたいという衝動が頭をもたげる。
 今の彼にその情欲を抑える手立てがあるはずもなく、誘うように艶めかしい吐息を零す唇を、スパイクは吸い寄せられるように奪った。
「ん! んんっ……」
 侵入した舌先が遠慮なく口腔内を蹂躙し、唾液が絡まった舌を通して行き交う。
 もう抵抗することも諦めたのか、フェイはただスパイクの行為にされるがままになっている。
 それでも彼の舌が自分を絡め取り、無骨な指先がうなじを撫でるたびに悩ましげな吐息を洩らし、与えられた刺激に対する敏感さを示してくる。
「んっ……んっ……」
 すべらかな黒髪の中に手を差し入れ、深く唇を合わせながら空いた右手は乳房を弄り、尖端の硬くしこった蕾を摘んでは指先で転がし、絶え間ない刺激を送り込む。
「んふっ……はぁ…んっ」
 再びじりじりと体の奥を燻らせるような愛撫に、耐えるように眉根を寄せるフェイ。
 柔らかな唇と胸の感触をまたひとしきり味わうと、スパイクは徐に体を起こし、フェイを拘束している縛めへと手を伸ばした。器用に片手で結び目を引っ張り、ベッドパイプに括りつけてあった部分だけを解く。
 半分吊り上げられていた形から解放され、ずるりと両手が枕に落ちる。
 間を置かずに男の両手が彼女の背中に差し入れられ、少し力がこもってそのままぐいっと抱き起こされる。
「…んぁ…!」
 その弾みで挿れられたままの楔が中で動き、フェイが小声で喘ぐ。
 向かい合ってスパイクに抱きしめられる姿勢になり、力の抜けたフェイの体は彼にもたれかかった。汗ばんだ裸の胸がより密着して吸い付く。
 まだ彼女の肩に引っかかっている赤いシャツの裾がふわりと浮き、トップスは汗で腕や背中に張り付き、肩から下がったままのサスペンダーは本来の役目を失って所在なげにゆらゆらと揺れていた。
 両腕がスパイクの肩に置かれ、まだ手首で縛られた状態の両手は背中に回り、この体勢からは少し目下になる彼の頭を胸に抱えるような格好になる。
「ん…」
 ぐったりと体を預けるしかないフェイの唇を塞ぎ、首筋に舌を這わせながらまろやかな乳房を揉みしだく。弾みをつけて揺れる双乳に顔を埋め、尖った乳首を唇に挟んでむしゃぶりつく。
「あん……あっ…!」
 双つの膨らみから伝わってくる快感に途切れ途切れの声が洩れ、それに反応して膣壁がキュッと締まってくる。
 スパイクはそれを合図にしたかのように手をフェイの腰に回し、しっかりと両側から掴んで引きつけ、自らを奥まで深々と突き刺す。
「はぁうっ!」
 焼けるような楔に串刺しにされてフェイの上体が跳ねる。
 熱い掌は逃すまいとするかのようにがっしりと彼女の腰を捕らえ、持ち上げては勢いをつけて自分に沈め、同時に自らも彼女を下から突き上げるという動作を何度も繰り返す。
「あっ……あっ……あぅっ!」
 鳴き声と共に仰け反る白い喉元や揺れる乳房をざらついた舌の腹でなぞり、双丘の頂でますます硬く尖る紅い真珠を執拗に舐り回すことも忘れない。
 男に突き落とされるたび、背筋を突き抜ける快楽の稲妻に足はつま先までびくびくと震え、力の入らない両腕は何かを求めるようにスパイクの背に縋りつく。
 男は容赦なく彼女を刺し貫きながら時には両手を円を描くように動かし、柔肉の壁を引っ掻き回す。そのたびに埋まった怒張の尖端が角度を変えて膣内の敏感な部分をぐりぐりと抉り、フェイの口から悲鳴のような喘ぎが零れる。
「やぁぁっ……あぁっ、あっ、はぁうんっ!」
 緩急をつけた揺さぶりをかけられたかと思うと激しく突き上げられ、フェイの性感は嵐の中に浮かぶ小船のように、快楽の荒波に翻弄され続ける。
 普段の強気な彼女の面影から思えば、男の荒々しい責めに苛まれ、快感によがり、咽び泣く姿は想像し難いくらいに扇情的で、この上なく淫らな情景だった。
 彼女が張り巡らしていた強固な意志の壁も役に立たないほど、スパイクの責めは圧倒的で、そして的確だった。薬による欲情の勢いに任せただけの行為とは思えないほどに。
 勿論、その時のスパイクに意識的に彼女の性感帯を探り当てる余裕があったわけではなく。いうなれば二人の体の相性の良さのせい、かもしれなかった。
「はっう…、くんっ……あっ、あああっ! ダメ……だめぇっ!」
 腰を持ち上げられては深々と男の上に沈められ、更に下からも断続的な突き上げが襲う。延々と続く快楽の連鎖の渦に溺れ、フェイは必死で息を継ぐように喘いだ。
 男は責めの手を緩めることも忘れ、ひたすら自分の快感を追ってフェイを貪り続ける。
 結合部からはじゅぶじゅぶと粘り気のある淫らな音が間断なく洩れ、出入りする怒張に掻き出されるようにして溢れ出た愛液が、男の貫きの激しさに飛沫となって飛び散っていた。
「あ、んああっ! やぁっ、あ…ああっ、ダメ、もう、ふ…あぁあ!!」
 耳に甘く響く悲鳴と共にフェイの背中が反り返った。男の背中に爪を立て、痙攣したようにびくんびくんと体を揺らす。
 膣壁の蠕動がざわっと強くなり、男の剛直をすっぽりと呑み込んで締め上げる。
「っ…!」
 蕩けるような熱さに包まれる感触と芯まで絞り尽くすような恍惚感が体の中心を突き抜け、彼の中で膨れ上がった熱が堰を切って迸った。
 背中に感じた微かな痛みに一瞬眉をしかめたが、それも自身をぐいぐいと絞り上げる快感にすぐ打ち消されていく。
「あっ……あっ……」
 ぴくぴくと余韻に震えていた体からやがて力が抜け、フェイはがくりとスパイクに倒れこんだ。
 彼の肩に顔を埋め、途切れ途切れの吐息の下から何とか酸素を確保しようとするかのように、短い呼吸だけを繰り返す。
 立て続けに味わわされた快楽と絶頂の渦に、彼女の意識は完全に呑み込まれつつあった。今まで経験したこともないような圧倒的な存在感と、頭の芯を絞られるような悦楽の極み。それらは津波のようにフェイの思考能力を奪い、押し流していく。息をすることさえも苦しくなるほど、彼女はその怒涛の奔流に溺れ、捕われていた。無論、その中から逃げ出すことなどできるはずもない。
 しなだれかかった女の唇から零れる熱い息遣いが首筋にかかり、スパイクは背筋がぞわりと逆立つのを感じた。
 彼女の中に埋まったままの自身が、一度精を吐き出してもいささかも衰えることなく猛り、どくどくと脈打っているのがわかる。
 まだまだ、こんなものでは足りない。彼の本能がそう告げていた。
 普段の彼なら、こんな無茶な抱き方はまずしなかっただろう。だが、一度たがの外れてしまった欲望を押し留めることなど不可能だった。
 それが薬の効果によるただの欲情なのか、それとも組み敷いた女の体に魅了されているためなのかという微かな疑問が脳裏をよぎる。けれどもう、そんなことも彼にはどうでもよかった。
 既に彼の手から逃れる術など残っていない女を、それでも更に腕の中に閉じ込めるかのように、背中に回した両手に力がこもり、強く抱き締める。
 早鐘のような鼓動と、密着した肌から伝わる互いの熱気とが混じり合い、溶け合って一つになる。
 彼らの長い夜は、まだ始まったばかりだった。


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