Curiosity killed tha cat.

<6>


 深く長いキスを重ねた後、最後に彼女の唇をきゅっと噛んで名残惜しそうに唇を離したスパイクは、上体を起こすと自分をゆっくりと彼女の中から抜き取った。
「んん…っ」
 ぬるっ、と膣内から楔が抜けていく感覚に、フェイがもどかしげな声を洩らす。
 膨張した男のそれがずるりと引き出されるのに従って、秘孔からとろとろと粘り気のある液が零れ落ちる。
 白濁したそれは溢れ出した女の愛液と男の精とが混じり合って、秘裂から流れ落ちる淫靡な筋をいくつも作り、染みとなってじわじわとシーツに広がっていた。
 その淫らな光景に喉を鳴らし、女の背中に手を回すと体を持ち上げてうつ伏せにさせる。
 手足に力の入らないフェイは、スパイクのなすがままにされている。
 華奢な裸体をシーツに投げ出し、覆い被さってきた男の掌が肌を這い回る感触にぴくぴくと細い肩を震わせる。
 うつ伏せにしたフェイの首筋に唇を這わせ、後ろから潜り込ませた両手で乳房を弄ぶ。両脚を彼女の脚に絡めながら自らの怒張を両太腿の間へ差し込み、秘裂に押し当ててぬるぬると前後させる。
「ん……はぁっ……」
 秘裂をしとどに濡らした蜜が潤滑油となり、熱い塊りが「ぬぷ・にゅるっ」といやらしい音をさせて秘孔をなぶり、入り口をやんわりと擦る。
 うなじに押し当てられた唇と舌が幾度となく細い首筋を上下し、時折強く吸い付いて紅い跡を残す。後ろから逞しい腕に抱きすくめられた胸は圧迫感にひしゃげ、両側から差し込まれた掌が汗ばんだ膨らみを巧みに押し揉んでいる。無骨な指の間に紅く膨らんだ尖りを強く挟まれ、息の詰まったような喘ぎが洩れた。
「はぅっ……あ、あ」
 シーツをきゅっと掴んだ両手がぶるぶると震え、全身に感じる男の逞しい肌の感触と体温、施される甘美な刺激が彼女の感覚全てを包み込む。
 しばらくそうして女の柔肌を愛撫していた男は、もう一度うなじに強く口づけて跡を残すと起き上がり、美しい曲線を描く腰を両手でしっかりと捉えて持ち上げ、膝を立たせる。
 フェイは上体を起こすことができずに横顔をベッドに押し付けて突っ伏したままで、持ち上げられた下半身はゆらゆらと不安定そうに揺れたが、構わずにスパイクは後ろから硬くそそり立った自身を一気に押し込んだ。
「はぅっ…ああっ!!」
 じゅぶっ、とぬめりを滴らせてスパイクの剛直がフェイの中に埋まっていく。
 いきなり奥深くまで刺し貫かれ、フェイの白い背中が反る。跳ね上がった肩は一瞬硬直し、びくっ・びくっと痙攣してまたベッドに沈み込んだ。
 根元まで突き入れた怒張がざわめく肉襞に迎え入れられ、蕩けるような熱が下半身を包み込む。何度味わっても飽きることのないその締めつけに感嘆の息を洩らし、フェイの腰をぐいぐいと引きつけ、自らも腰を押し付けて回転させる動きを加えながらそのまま抜き差しを繰り返す。
「あんっ……あん、はぁっ……ああんっ!」
 後ろから無遠慮に押し入ってくる侵入者に、更に奥深くまで抉り抜かれて一段とフェイの嬌声が跳ね上がる。今までの責めとはまた違う部分を硬く尖った肉の凶器が突き、擦り上げ、掻き回す。
「やっ…あ、だめ…んんっ! そこ、ダメ…っ…んぁあ!」
 蜜壷の奥の窪み目がけてぐりぐりと尖端を捻り込むとフェイの悲鳴は一層高くなり、引き裂かんばかりに細い指がシーツに食い込む。
「駄目って言ってる割には嬉しそうに呑み込んでるじゃねえか。気持ちいいんだろ? ここが」
 汗を浮かべながら彼女の腰を掴んだ手に力を入れ、彼女の膣内が鋭い反応をみせる箇所を、大きく腰を使って狙い打つ。
「ひぃああっ! やぁ…っん、あっ、あぁっ……はぁうっ!!」
 後ろから聞こえるスパイクの愉しげな声に力なくかぶりを振るが、何度も同じ部分を責め立てられて唇から零れるのは言葉にならない喘ぎばかり。
「こんなに悦んで締めつけといて、強情な女だな」
 口の端を上げると両手を彼女の腰から離し、今度はシーツの上を滑っていた彼女の両腕を掴んで後ろ手に回し、上体ごと引き寄せながら力強く腰を使う。
「あぁんっ! あっ、あっ、だめ、そん…なに…っ、はぅっん!!」
 体を引きつけられては熱い楔を打ち込まれる愉悦の衝撃に押し戻され、反動で跳ね返った勢いがまた叩きつけられる快感を増幅させる結果になり、高まる波は相乗効果で一気に膨れ上がっていく。
 全身を走る快楽の電流に白い背中は仰け反り、激しく揺れる双つの膨らみがますます弾けんばかりに瑞々しい存在感を放ち、胸元を伝った汗が玉のような飛沫となって飛び散った。
「…くっ…」
「っあ、ああぁ! やぁっ、んぁっ…ああん!」
 気を抜くと持っていかれそうなほどの締まり具合に、彼は思わず奥歯を噛みしめる。
「…そんなにいいのかよ…さっきよりどんどん締まってくるぜ」
 言いながら競り上がる射出感を追って更に激しく腰を動かしてフェイを突き上げる。
 だが、既にスパイクのそんな言葉も耳に入らないのか、彼女は白い喉を仰け反らせ、甘く震える声色で乱れ続けていた。
「あん、あんっ、やぁあん! あっ、あっ、くぅ…っん、あぁあっ!」
 ぐちゅ、じゅぶ、とぬめった粘膜の擦れ合ういやらしい音を追って、間隔の短くなったリズムで肌がぶつかり合う乾いた音が響く。
「いゃっ、だめ、また……んっ、あっ、あっ、んんっ、あっ!! …──っ!!」
 髪を振り乱し、がくがくと全身を波打たせた後、ふっと力の抜けたフェイの体はがくりと崩れ落ちた。
「はぁ……は……ふ……」
 後ろ側で両手をスパイクに捉えられたまま、絶え絶えの息で酸素を取り込むのが精一杯の様子だった。
 吐息と共に上下する肩と背中に浮き出た汗の皮膜がしっとりと光り、火照った肌を艶めかしく演出する。
 視線を落とせば、突き出された豊かな白い双丘の間に、たっぷりと蜜をまとわりつかせた自らの分身が根元近くまで呑み込まれているのが見える。
 見えない部分も、女の蜜壷にぴったりと収められ、中でどくどくと脈打っているのが伝わってくる。
 彼を包み込む柔襞の締めつけは弱ることなく、怒張の表面を撫でるかのように吸い付いてきていた。
 両手を離すとフェイの体はそのまま重力に引かれて沈み、シーツの海に力なく突っ伏した。
 自らも達する一歩前まで高まっていたスパイクは、余韻に震える膣の痙攣を味わった後、大きく息を吐き出し、空いた手でフェイの左脚をぐいっと持ち上げた。
「…んぁっ…」
 フェイの眉がきゅっと寄せられ、か細い声が洩れる。
 彼は持ち上げた彼女の左脚を腰に引き寄せ、自分の左脚を彼女の股の間に通すように密着させて後側位の形を取らせると、最初はゆっくりと、徐々にスピードを速めて腰を前後させていった。
「あんっ…! あ、んっ、ひゃうぅっ!」
 途端にびくん、とフェイの頭が弾かれ、上体が浮き上がる。
 かすれた声音は涙混じりの喘ぎとなり、嗚咽にも似た弱々しい悲鳴を響かせる。
 熱い肉の塊りが打ち込まれる快感に加え、股の間に差し込まれた男の左脚が敏感な突起に激しく擦れることにより、鋭い刺激が倍増して彼女の快楽中枢を襲っていた。
「やぁぁっ……あっ、ダメ、も…、っ、ひぁあっ! んあっ、っ…ああっ!」
 次々と流れ込んでくる悦楽の荒波は、フェイの意識を更に揉みくちゃにして沸騰する奔流の中へ呑み込んでいく。
 きつく閉じられた目尻からは涙が零れ、途切れ途切れの嬌声を洩らす唇の端からは唾液が細い糸を引く。
 男の送り込んでくる快楽に指の先まで支配されてしまったかのように、女は我も忘れて乱れ、よがり喘ぐ。
「ここが気持ちいいみたいだな……もっと感じろよ、ほら!」
「あ、ひぃっ!! だ、め…、あんっ! も…う、やめ……あ、ふ…ぁあうっ!」
 切願の色が滲む艶やかな声に返って嗜虐心を刺激され、男の動きが加速する。その動きに合わせて女の悲鳴が跳ね上がる。
「あっ、ん、あっ、あっ、……ね、が…い…、んんっ…!」
 フェイは絶え間なく味わわされる快感に翻弄されながら、それでも懸命に両腕をベッドにつき、顔を振り向かせた。
「おね…がい……んぁっ! …もう…あっ、だ、だめ……これ以上……っ、ああん!」
 苦しい息の下から必死に切れ切れの言葉を絞り出す。
「お願…い、もう、許して……あたし、もう、ダメ……」
 涙を滲ませた双眸が彼を見つめ、切なげな光に揺れる。その濡れて艶めく翠の瞳が、男の目をいっそう惹きつけ、知らずごくりと喉が鳴る。
 反射的に上体をかがめて彼女の胸に右手を回して引き寄せ、乳房を捏ね回しながら唇を耳元に寄せて囁く。
「……駄目だ。俺が満足するまでは許さねえからな」
 意地の悪い笑みを含んだその宣告に、フェイの瞳が慄(おのの)きの色を映して揺らいだ。
「いや……だめ、お願い……スパイク……もう、許して……」
 その弱々しく艶やかな声と、儚げにも見える眼差しが逆効果にしかならないことをわかっているのかいないのか。懇願されるほどに男の情欲の火は煽られ、収まりそうもない。
「……駄目だ」
 フェイの縋るような切願も冷たく切り捨て、彼女の左肩を右手で掴んで強く引き付けるとスパイクは再び彼女を揺さぶり始めた。
「いや、いやぁっ……あ、ああっん! はっう、んんっ…あああっ!」
 再開された抽送が、悦楽の海に溺れる彼女を瞬く間に更なる深みへ引きずり込んでいく。
 もう耐えられないと怯える彼女の意識とは裏腹に、男に蹂躙される女のそこは中襞の一枚一枚がまるで別の生き物のように蠢き、激しく前後する男の分身を引き込んで逃すまいとするかのように絡みつく。
 膣奥を深く抉られる衝撃と、陰核が擦られる刺激とによって彼女の脳天を突き上げる快感は更に膨れ上がり、全身をしならせてよがり喘ぐことしか彼女には許されていなかった。
 自分の下で身悶えて泣き咽ぶ女の、乱れれば乱れるほどにますます艶やかさを増していく嬌態が、男の獣の情欲を更に昂ぶらせる。
 怒張を包む熱の抵抗に小さく呻きつつ、自らも快感を追って激しく腰を前後させる。蕩けるような熱の摩擦は彼の剛直を梳き上げるように食い締め、全身が粟立つような悦楽をもたらす。
 ずちゅ・にゅぷ・ぐちゅっ・じゅぶっ。
「ひぃ…ぁあっ! あ、あ、あああっ……ん、くぅっ……んふぁあ!!」
 部屋の中には結合部から洩れ聞こえる淫らな音が絶えず響き、他には男の吐き出す荒い息と女のすすり泣くような嬌声、そして二人の体から滲み出る熱気と湿度が漂うばかりだった。
「んぁあっ……ああんっ! だめ、もう、おかしく…なっちゃ…っ、ああっ!」
「いいさ、お前も……おかしくなっちまえよ、フェイっ…!」
「あっ、あっ、だめっ…もう、壊れちゃ…う…、んっ、あ、あっあっあっ…んん──っ…!!」
 止めとばかりに強く男の腰が打ちつけられた瞬間、ぶるっ・ぶるるっ、と激しく全身をわななかせ、声にならない悲鳴を喉に詰まらせてフェイは絶頂へと押し上げられた。きつく閉じられた瞼の裏で無数の閃光が走り、頭の芯を絞られるような爆発が起こる。
「…っく…ぁっ…!」
 押し殺した呻きを洩らし、同時にスパイクも限界まで膨れ上がった熱の塊りを一気に解放する。彼の内側を極限までに純化された快感が稲妻のように駆け巡り、全身の細胞が沸騰するような感覚に陥る。
 膣の一番奥まで押し付けた尖端から熱い滴りが迸り、勢いよく彼女の中へ流れ込む。その熱い感触にフェイはまたぴくぴくと震えた。
「……はぁっ……はぁ……はぁ……」
 全身の筋肉を硬直させてさせて絶頂の余韻に浸っていた二人は、緊張が緩むと止めていた息を肺の底から一気に吐き出し、もつれる合うようにベッドに倒れこんだ。
 どくどくと跳ね回る心臓の音、汗と体液にまみれた肌の感触、互いの唇から洩れる荒い吐息が混じり合い、どちらのものか判別がつかない。
 目映いばかりの白い闇に包まれていく恍惚感に身を委ね、二人はしばらくそのまま動かなかった。正確には、動く力もフェイの方にはなかったのだけれども。
 どれだけの間、そうしていただろうか。
 体を包む火照りが気だるい心地良さに変わり始めようかという頃、スパイクはようやく少し体を回してフェイの隣に横になった。重く感じる手を引き上げ、彼女の頬に添えてこちらを向かせる。
 完全に惚けたような表情で、フェイはスパイクを見つめ返した。その蕩けた深緑の瞳が彼を映してまどろんでいる。上気した紅色に染め抜かれた頬と、濡れて艶めく唇。どこか淫靡な雰囲気を湛えながらも、その面差しは繊細で、美しかった。
 ぞく、と彼の中に言い難い衝動が顔を出す。
 同時に昂ぶった雄の血が、再び体の中心に集中していくような感覚に捉われる。
 彼自身、その形容しがたい感情に戸惑い、何度か目を瞬かせたが、ひとたび滾り始めた欲求を抑え込むことは、今の彼にはできない相談だった。
 フェイの体を抱き寄せ、唇を奪う。
「ん………」
 閉じた睫毛に乗った涙の粒が紅潮した頬を彩り、何とも言えず色っぽい。
 啄ばむようなキスを繰り返した後、彼は頬から耳朶に唇を這わせながら囁いた。
「……悪いな。まだ終われそうにない」
 その言葉に潤んだフェイの瞳が揺らぎ、開かれた唇が音を絞り出そうと震える。
 しかしその音は再び重ねられた彼の唇に吸い込まれ、言葉になることはなかった。
 スパイクの手がフェイの胸元から首筋、耳朶を順に柔らかく愛撫していき、やがて自分の腕に縋っていた彼女の両手に重ねられ、指を絡め合うようにしてしっかりと握り合わされる。
 フェイは諦めたかのように震える睫毛を伏せ、男の深い口づけと熱く力強い抱擁にただ身を預けていた。
 ちかちかと時折小さな閃きを零す薄い明かりに照らされ、壁に映し出された淡い影が、じっと重なったままの時間がゆるゆると過ぎていく。
 繋がった温もりが体の奥深くまで染み透り、互いが互いを包むように溶け合って一つになる。
「…いくぜ…フェイ」
「ん……はぁ……、スパイ…ク……んんっ……あ……ああんっ……」
 …やがて重ね合わさったその影がゆっくりと動き出した時、再び女の甘くかすれた声音が部屋に響き始めていった。


 ──それからどれだけの時間が過ぎただろうか。
 フェイは飽くことなく彼女を求めてきたスパイクにされるがままに抱かれ続けて何度もイかされ、最後にはもう喘ぎすらも殆ど声にならなくなっていた。
 絶え間なく襲いかかる絶頂感に幾度となく体を跳ね上がらせ、達してもまた休む間もなく上昇する奔流に引き込まれるという快楽連鎖の繰り返しに、鎮まることも許されなかった意識は次第に混濁していき、彼が最後の精を放つ頃には、フェイはとうとう気を失ってしまっていた。
 湧き上がる欲情のままに彼女を執拗に責め続けたスパイクも、過ぎた時間も達した回数も既にわからなくなっていた頃には流石に体力の限界を迎え、最後の力を振り絞ってフェイの中に精を注ぎ込んだ後、気を失って力なく体を投げ出していくフェイを追うようにベッドに倒れこんだ。
 声もなく洩れる湿った荒い吐息、火照った肌から滲み出る汗の熱気、むせ返るほどの濃密な雄と雌の匂いがその部屋の隅々まで満ちている。
 気力体力を使い果たした二人は心身共に疲れ果て、そのまま抱き合うようにして、泥のような深い眠りに落ちていったのだった。


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