13
「あ・・す、すみません・・・・」
スピカは恥ずかしくなってしまい、一気に顔を赤くしてしまう。
「・・悪いとは言っておらぬ・・・・謝ることはない。」
「あ・・は、はい。すみませ・・あっ・・」
「フッ・・ハハハッ。そなたは本当に愛らしいのだな。」
「あ・・ありがとう、ございます・・・・」
ラグリアが微笑むだけでなく、笑ってくれた。それがスピカも嬉しくて笑顔でお礼を述べた。
「・・アトラス様が・・そなたを気に入る訳だな・・・」
とラグリアが言うので、スピカは驚いてしまった。
「えっ?あの・・そんな。アトラス様はただ、私のことを娼婦として育てただけですよ・・・?」
「だが・・・あのアトラス様が、最初から全て教育したのだと聞いた・・・・あの方はそのようなことはせぬ・・珍しいことだと思っていた・・・・だが・・そなたのような者なら分かる気もするな・・・・」
「そ、そんな・・アトラス様は、そんなことは・・・・」
「・・それは・・アトラス様から直接聞いたことか?」
「えっ?」
「・・・アトラス様が自らそなたを選び、始めから育てたということは・・・・そなたはアトラス様に見込まれたということになる・・・・アトラス様が気に入らなければ、そのようなことはせぬだろう・・・・いや、それはアトラス様でなくとも、万人共通だ・・・・皆嫌いな者より、好きな者を教育したがるだろう?」
「あ・・・そ、それは・・・・ですけど、アトラス様は・・・そのような方ではないですよ・・・・」
「・・・スピカ・・・・」
「・・アトラス様は・・・そういうお方では、ないと思うんです・・・・ラグリア様の仰っていることもあるのかもしれませんけれど・・・・ですけどアトラス様は、たくさんの女の人達と接しています・・・・私なんて・・本当に娼婦としてはまだまだ未熟者ですけれど・・・・せめて、そんなアトラス様の名を汚さないように、頑張るつもりです。今の私は・・それしか、アトラス様に出来ることはありませんから・・・・」
とスピカは言った。そしてこういう時実感させられる。やっぱり自分は、まだ心のどこかでアトラスのことが好きなのだろうと。
アトラスにはひどいこともたくさんされたし、事実最初は大嫌いな存在だったのに・・・・・どうしてあんな人を好きになってしまったんだろう。スピカは疑問に思いながらも、アトラスへの想いを感じずにはいられなかった。
「・・・スピカ・・・・そなたは、アトラス様のことを慕っているのだな・・・・・」
「!あ・・っ・・・・ですけど、私自身・・よく分からないんです。確かに、昔は恋をしていたと、思うのですけど・・・・今は・・・どうなのでしょうか・・・・?」
ラグリアにそのことを見破られてしまい、スピカは驚きながらも自分の本当の複雑な胸の内をラグリアに言った。
「・・フッ、そうか・・・・別に・・そなたが誰を慕おうと私には関係ない・・・・そなたの問題は・・・そなた自身で解決することだ・・・それが一番良い。」
「・・ラグリア様・・・は、はい。」
「・・・この城に来た者の中でも、そなたのようにアトラス様を慕っている者は多かった・・・・皆戸惑いながら、最終的にはレグルスの餌食になり、私の餌食になり、この国の男達皆の餌食となり・・・それに耐えられなくて出て行った者もいる・・・・・だが出来ることなら・・・私はそなたには、ここにいて欲しいと思っている・・故にアトラス様を忘れろ、とは言わぬがな。」
「あ・・は、はい。」
分かっていた。育ててくれたアトラスに恋をすることなど、言語道断だということを。
だがそれが人間の持っている感情なのだ。ラグリアの話ではスピカ以外にもアトラスのことを慕っている人が多いとも言っている。この複雑な想いを抱えていたのは自分だけではなかったのだ。そう考えるとスピカは少しホッとした気持ちになれた。
「・・良い返事だ・・・・では・・そろそろ挿れても良いか・・・・?」
「あ・・はい。」
スピカはコクンと頷いて返事をした。ラグリアはそのままの体勢で自身のそれをあてがい、スピカの中にゆっくりと進入していった。
「あっ・・ん・・・!」
スピカはこのような座った姿勢が一番感じたりしてしまう。挿れられただけなのに声が漏れてしまった。
「・・スピカ・・・・動くぞ。」
「は、はい・・・」
そうしてラグリアはスピカの腰を抱き、スピカはラグリアにしがみついた。ラグリアは最初から容赦なく速い動きでスピカの中を行き来した。
「あぁっ!ああぁっ!ああぁっ!!ああぁっ・・!ああぁん!ああぁっ!!」
「・・あぁ・・・良いな・・・そなたの中は・・・とても良い・・・・」
「あぁっ!ああぁ・・っ・・・!ああぁっ!!ラ、ラグリア・・様・・・ぁ・・っ・・!」
「・・スピカ・・・・気持ち良いか・・・・?」
「あぁっ・・・!は、はい・・・!気持ち、いいです・・・!すごく・・!気持ちいいです・・・!」
「・・そうか・・・私も、だ・・・・!」
「ああぁっ・・!ああぁ・・っ・・!ラ、ラグリア・・さ、ま・・ぁ〜・・っ・・!!ああぁぁっ!!ああぁん!!」
そろそろ限界だった。こんなに速く動かされてしまったら・・・気持ち良すぎて・・・・
「・・スピカ・・・・」
まただ。こうしてラグリアは低く甘くスピカの耳元で囁く。わざとだと分かっていながらスピカは感じてしまっていた。
「や・・ああぁぁっ!!ラ、ラグリア、様・・・・!私・・もう・・・イきそう・・・・!!」
「・・私もだ・・・・!」
「あっ・・ああぁっ!ああぁぁっ!ああぁ・・・っ・・!あああぁぁぁーーーーーーっっっ!!!」
「!スピカ・・・・!・・・」
ラグリアはスピカからそれを抜き、自らの手で押さえながら性を放出した。
だがラグリアの性は手の中だけに止まらず、あふれ出していた。スピカは絶頂に達し疲れていたが、すぐにティッシュを取り出す。
「あ、あの・・どうぞ。」
「・・あぁ、すまぬな・・・・」
そうしてラグリアはティッシュで自らの性を拭いた。スピカも自分でティッシュをもう1枚取り、拭いた。
スピカは全てが満たされた気分で何だかとても嬉しかった。ラグリアのことも今は怖くないし、ラグリアは後半ほとんど微笑んでくれていることが多かったので、スピカは安心することが出来たのだ。
「ラグリア様・・・その・・ありがとう、ございました・・・・」
スピカはどうしてもラグリアにお礼が言いたくて言葉にした。
「?・・・なぜ、礼を言う?」
「その・・・・正直言うと、私やっぱり・・・少しだけ、ラグリア様が怖かったんです・・・・ですけど、ラグリア様は・・こんな私にもお気を遣って下さって・・・・今、ラグリア様とこうしていれることが・・・とっても嬉しくて・・・・」
「・・そうか・・・・・今もまだ、私が怖いか?」
微笑んで尋ねてくるラグリアを見て、スピカの答えは決まっていた。
「そんなことないです・・・怖く、ないです。」
「・・そう、か・・・・それを聞いて安堵した・・ありがとう、スピカ・・・・・」
ラグリアはそう言ってスピカを優しく抱き締めてくれた。ラグリアの優しさと暖かさが身にしみて、スピカもラグリアを抱き締めたのだった・・・・・・・・・・・・・
|