25 「おや?あなた様は・・・スピカ様でいらっしゃいますね?」 と、兵士の方から声をかけられてしまってスピカは驚いてしまった。 「えっ!?あっ、えっと・・はい!そうです!」 とその兵士は言い、謁見の間の扉をいとも簡単に開けてくれた。スピカは「ありがとうございます。」とお礼を述べてから謁見の間の中に入った。ラグリアとレグルスが驚きながらも笑顔でスピカを迎えてくれた。 「やぁ〜スピカ、いらっしゃい。フフッ・・ここでおまえに会えるなんて嬉しいよ。遊びに来てくれたんだね?ありがとう。」 と、まずはレグルスがスピカにそう言ってくれた。ラグリアが座っている中央の玉座の右側に立ってその玉座に寄りかかっている。 「・・スピカ、か・・・・よく来たな・・・・」 ラグリアが微笑んでスピカにそう言った。 「あ・・はい。お邪魔します・・・・あの、あそこにいらっしゃった兵士さんが、すぐに通して下さって・・・」 と、兵士と同じことを言うレグルスにスピカは「何だかすごいな〜。」という驚きの気持ちと「申し訳ない。」という2つの気持ちが入り交ざった。 「あ・・はい。ありがとうございます・・・・あ、あの・・お仕事中に、すみません・・・・ですけど、その・・・いつも、レグルスさんやラグリア様が「遊びに来い」と言って下さってたので・・・本当に、お言葉に甘えちゃいまして・・・・」 とラグリアに微笑んで言われて、スピカもつい嬉しくなってしまった。 「あ、はい。その・・ありがとうございます・・・」 とレグルスに優しく微笑まれて言われてしまうと、スピカはつい胸がドキッとしてしまっていた。 「あ・・・え、え〜っと・・・・」 スピカがどう返事をしようか困ったその時だった。 「ミャ〜!」 と、スピカの足元で何か違和感があったのでスピカが何かと思って足元を見てみたら、そこにいたのは何と1匹の子猫だった。 「あぁ、ミャウ。こちらに来い。」 ラグリアがミャウと呼んだこの子猫はスピカからすぐに離れ、ラグリアの元に駆け寄り、一気にジャンプしてラグリアの座っている所に飛び込んだ。ラグリアはそれを微笑んで見ていて、ミャウの頭を撫でた。 「フフッ。少し驚いていたみたいだったね、スピカ。」 とレグルスが余裕の微笑でもってそう言った。 「あ、はい。ちょっとだけ、驚いてしまいました・・・ウフフッ。可愛い子猫さんですね。」 スピカもまた、笑顔でレグルスとラグリアにそう言った。 「あぁ、そうだな・・・・猫は、大丈夫だっただろうか?スピカ・・・・」 突然のラグリアの申し出にスピカは驚いてしまった。レグルスも少し驚いた顔でラグリアを見ていた。 「フッ。どうやらミャウは、そなたのことが気に入ったらしい・・・・そうなのだろう?ミャウ。」 ミャウはまるでラグリアの言葉に反応したように鳴く。人の言葉が分かるのだろうか?子猫の割には教育がしっかりされているような気がする。だがどうやらラグリアが飼っているらしい猫なので、このラグリアの性格を考えればそれは当然かもしれない。 |