26 スピカは驚いてしまって、つい顔を赤くしてしまった。 「フフッ、スピカ。ラグリア様が女性を口説くなんて、滅多にないことなんだよ?」 ラグリアが玉座から立ち上がり、スピカのいる方まで歩いてきた。もちろん懐にはミャウを抱えている。 「あっ、は、はい!!」 ラグリアからミャウを受け取る感じでスピカはミャウと触れた。 「ミャ〜ッ!」 ミャウはスピカに抱かれた途端鳴き出した。レグルスもラグリアとスピカの近くに来て様子を見ている。 「ウフフッ、可愛いですね〜。ミャウちゃん?」 とレグルスが余裕の微笑でもってそう言った。 「えっ?そうなんですか?」 と、スピカは笑顔でラグリアに尋ねた。 「そうだな・・・・私は昔から、愛らしいものが好きなようだ。どんなものでもな・・・・・」 と言ってラグリアはスピカに抱えられているミャウの頭を撫でた。ミャウは嬉しそうにゴロゴロ言っている。 「ウフフッ・・・可愛いですね、ミャウちゃん。」 スピカはミャウをラグリアに手渡した。そのままラグリアはミャウの頭を撫でながら玉座に戻る。レグルスも後から玉座の右隣のポジションに戻った。 「ミャ〜ッ、ミャ〜ッ。ミャ〜ッ!」 と、ミャウが途端に鳴き出した。スピカはどうしたのかと首をかしげてしまい、レグルスもその様子を見守っていたが、すぐに口を開いた。 「ミャウは水遊びが好きですからね〜。遊んで欲しいのでしょうね・・ラグリア様。」 と言ってレグルスは一旦奥に引っ込んでしまった。いきなりレグルスにいなくなられてしまったのでスピカは緊張してしまったが、すぐにミャウの「ミャ〜ッ。」という甘えた鳴き声を聞いてその緊張が少しほぐれた。 「・・ミャウを気に入ってくれたようだな、スピカ・・・・ミャウは、私にとって大事な存在なのでな・・・・そなたにミャウを好いてもらえたことを、私は嬉しく思う・・・・」 とスピカは笑顔で返事をした。 「・・そうか・・・・こちらこそありがとう。ミャウも喜んでいるだろう・・そうだな?ミャウ。」 それはラグリアの質問に対しての返事なのか、早く遊びたいというワガママなのかスピカには分からなかったが、どちらにしろこのミャウの可愛さは天下一品だった。そしてやっぱり動物が好きだと改めて自分で認識してしまった。 「フッ・・全く・・・・もう少し、場数を踏む必要があるな、ミャウ・・・・そなたはまだ甘えん坊だ。もう少し鍛え直さねばな・・・・」 ミャウはラグリアの言葉を聞いているのかいないのか、ペロペロとミャウの頬を舐めだした。そんな光景を見てしまい、スピカにも思わず笑みがこぼれる。そうしている間にレグルスが奥から出てきた。 |