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「フフッ・・・ミャウは、確かメス猫じゃなかったかな?違いましたか?ラグリア様。」
「あぁ、そうだ。とても愛らしい・・・・・そなたも愛らしいがな、スピカ・・・・」
「えっ!?わ、私ですか!?」

スピカは驚いてしまって、つい顔を赤くしてしまった。

「フフッ、スピカ。ラグリア様が女性を口説くなんて、滅多にないことなんだよ?」
「あっ!!え、えっと・・その・・・・」
「フッ・・・スピカ。」

ラグリアが玉座から立ち上がり、スピカのいる方まで歩いてきた。もちろん懐にはミャウを抱えている。

「あっ、は、はい!!」
「ミャウを抱いてみるか?」
「あっ、はい!あの・・いいんですか?」
「構わぬ。ミャウは元から人懐っこい猫なのでな。」
「そうなんですか〜。あ、それじゃあお借りします・・っとと・・・・」

ラグリアからミャウを受け取る感じでスピカはミャウと触れた。

「ミャ〜ッ!」

ミャウはスピカに抱かれた途端鳴き出した。レグルスもラグリアとスピカの近くに来て様子を見ている。

「ウフフッ、可愛いですね〜。ミャウちゃん?」
「ミャ〜ッ!」
「すごいですね〜。本当に、人の言葉が分かっているみたいです。」
「あぁ・・ミャウは理解しているようだな。」
「すごいですね〜。ラグリア様がご教育なさってるんですか?」
「教育というほどのものではない。面倒を見て世話をしているだけだ。」
「そうなんですか〜。本当に可愛いです・・・・飼われてから、どの位経つんですか?」
「そうだな・・半年ほどか・・・・?・・・あれはいつだったろうか?レグルス・・・・」
「そうですね・・・その位だと思いましたよ・・・フフッ、スピカ。ミャウの第一発見者は、実は私なんだよ。」

とレグルスが余裕の微笑でもってそう言った。

「えっ?そうなんですか?」
「あぁ。城門の前で倒れているミャウを見つけてね・・・・私が見つけた時には、今以上に小さな猫だったよ・・・・栄養失調だったみたいでね〜。すぐに医療センターの専門の医師達に調べさせて・・・それでここまで回復させたんだよ。フフッ・・その元気になったミャウを見たラグリア様が、どうやら一目惚れしたらしくてね〜。それでミャウは、今はラグリア様が全てお世話しているんだよ。」
「あ、そうなんですか〜・・・・一目惚れ、なんですね。」

と、スピカは笑顔でラグリアに尋ねた。

「そうだな・・・・私は昔から、愛らしいものが好きなようだ。どんなものでもな・・・・・」

と言ってラグリアはスピカに抱えられているミャウの頭を撫でた。ミャウは嬉しそうにゴロゴロ言っている。

「ウフフッ・・・可愛いですね、ミャウちゃん。」
「あぁ・・そうだね。」
「ミャ〜ッ!ミャ〜ッ。」
「・・・この愛らしさに・・私は心を奪われてしまったのだ・・・・・あぁ、スピカ。ミャウをこちらに。」
「あっ。は、はい!!」

スピカはミャウをラグリアに手渡した。そのままラグリアはミャウの頭を撫でながら玉座に戻る。レグルスも後から玉座の右隣のポジションに戻った。

「ミャ〜ッ、ミャ〜ッ。ミャ〜ッ!」

と、ミャウが途端に鳴き出した。スピカはどうしたのかと首をかしげてしまい、レグルスもその様子を見守っていたが、すぐに口を開いた。

「ミャウは水遊びが好きですからね〜。遊んで欲しいのでしょうね・・ラグリア様。」
「・・あぁ・・・恐らくそうだろうな・・・・分かったミャウ。すぐに水浴びさせよう・・・レグルス。手配を頼む。」
「了解しました。では、失礼。」

と言ってレグルスは一旦奥に引っ込んでしまった。いきなりレグルスにいなくなられてしまったのでスピカは緊張してしまったが、すぐにミャウの「ミャ〜ッ。」という甘えた鳴き声を聞いてその緊張が少しほぐれた。
やはりラグリアに慣れてきたとはいえ、この大王国の王様であるし、誰よりも高貴さと荘厳さを身に纏っている。スピカは緊張せずにはいられなかった。

「・・ミャウを気に入ってくれたようだな、スピカ・・・・ミャウは、私にとって大事な存在なのでな・・・・そなたにミャウを好いてもらえたことを、私は嬉しく思う・・・・」
「あ、はい!こちらこそ。本当に可愛い子猫さんで・・大好きになってしまいました。」

とスピカは笑顔で返事をした。

「・・そうか・・・・こちらこそありがとう。ミャウも喜んでいるだろう・・そうだな?ミャウ。」
「ミャ〜ッ!」

それはラグリアの質問に対しての返事なのか、早く遊びたいというワガママなのかスピカには分からなかったが、どちらにしろこのミャウの可愛さは天下一品だった。そしてやっぱり動物が好きだと改めて自分で認識してしまった。
そしてこうして愛する動物と戯れているラグリアは・・・・もちろん今まで感じていた高貴さや冷たさは感じられるものの、明らかに優しさと暖かさがにじみ出ていた。本当にミャウのことが大好きなのだなぁ、とスピカはラグリアとミャウを見ていて思った。

「フッ・・全く・・・・もう少し、場数を踏む必要があるな、ミャウ・・・・そなたはまだ甘えん坊だ。もう少し鍛え直さねばな・・・・」
「ミャ〜ッ!」

ミャウはラグリアの言葉を聞いているのかいないのか、ペロペロとミャウの頬を舐めだした。そんな光景を見てしまい、スピカにも思わず笑みがこぼれる。そうしている間にレグルスが奥から出てきた。


  

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