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「・・スピカ君、今にも泣きそうな顔をしているね・・・・もしかして、レグルス君が君に何か泣かせるようなことをしたの?そうだとしたら・・僕はレグルス君のこと、許せないな・・・・」
「あっ、その!!違うんですマクリス様!!全て・・全て私が悪いんです・・・・!」

スピカはもう我慢出来なくて、瞳から熱い涙をポロポロこぼしてしまっていた。アルビレオとマクリスは驚いてしまっていたが・・・・アルビレオは優しくスピカの背中をさすった。

「ン、よしよしスピカちゃん。レグルスと何があったのかよく分かんないけど・・・・取り敢えず泣かないで!」

アルビレオにそう言われても、スピカは自分の涙を抑えることが出来なかった。本当に自分は泣くことだけしか出来ず、何の力もない人間だということを感じると、自分のあまりの無力さが嫌になってしまう。

「そうだよ?スピカ君。アルビレオ君の言う通りだよ!・・・スピカ君。君はどうやら、1人で全ての荷物を背負い込んじゃってるようだね?・・僕やアルビレオ君に相談していいんだよ?そのことで、力になってあげられるかもしれないからね!!」
「うっわ、マジでマクリス様ってば今日イイこと仰いますね〜。常にそんな感じでしたらもっと女の方にモテると思われますよ?」
「アハハハハハッ!!ヤダな〜、アルビレオく〜ん。僕は元からモテてるじゃないか!!ほら、こんなに!!」

と言ってマクリスはアルビレオにウインクしながら投げキスをしたが、アルビレオは一気にゲッソリとした顔付きになった。

「いやぜっったい分かりませんからそれ。そりゃ確かにマクリス様ってばウチのお城の女の子達に人気ありますけどね〜!!少なくともあたしとスピカちゃんはそれほどでもないんじゃないかと・・・・」
「うっわ。相変わらず君ってばストレートにきっついコト言うよね〜、アルビレオく〜ん。僕は悲しくなってしまうよ・・・・」
「とか言って全っっ然悲しそうなお顔してないんですけど。」
「ウフッ・・・ウフフフフフフッ。」

2人の、いつもながらな漫才っぽい会話を聞いていて、スピカは涙が引っ込んで自然と笑顔になった。そんなスピカを見てマクリスとアルビレオはきょとんとした表情をしている。

「あっ・・その、すみません。お2人の会話が面白かったもので、つい・・・ウフフフッ。本当にお2人は、とても仲が良いですよね。」
「まぁ、仲がイイかどーかは別として。スピカちゃんが喜んでくれたのなら何よりよ♪」
「こらこら、アルビレオ君。「別として」じゃなくて、僕とアルビレオ君は確実に仲がイイんだよ?アハハッ!いずれ君は僕だけのハニーになってもらわないといけないからね!」
「ちょっと待って下さいよ。誰が飛躍的にそこまで仲良くしてるって言いましたよ〜!?」
「うん?僕の中で、だよ☆」
「勝手にマクリス様が決めないで下さいよーーーーーー!!!あたしにはハタ迷惑すぎです!!!」

と、アルビレオが絶叫した所で再びコンコンと誰かがドアをノックしてきた。これには全員が驚く。

「ハァッ!?ったくもう今日は何でこんなに来客多いんだか・・どうぞ〜!!」

アルビレオは複雑な顔をしながらもそう声をかけた。カチャッとドアを開けて入ってきたのは、何とプレアデスだった。

「ヤッホ〜、アルビレオ!あなたの声があまりにも響いてたものだったから、ついお邪魔してみちゃったわ♪何か皆で盛り上がってるじゃない。あら!!マクリス様までいらっしゃいましたのね!こんにちは〜!!」
「うん、こんにちはプレアデス君!!アハハッ!君も相変わらず可愛いね〜。ここん所会ってなかったけど、元気そうで何よりだよ!」
「えぇ、ありがとうございますマクリス様!あ・・スピカも!こんにちは。」
「あっ・・こ、こんにちは。プレアデス様・・・・」
「あぁ〜。んで?あんたはいわゆる高みの見物?・・・まぁイイか。あんたっていっつもコーヒーブラックだったわよね〜?」
「ン、そうね!お願い出来るかしら?アルビレオ。」
「は〜いはいっと!あぁ〜、椅子には適当に座っててイイから〜。」
「ン、OK!」

そうしてプレアデスは椅子に座り、足を組んだ。いつもプレアデスはセクシーな衣装を着ているのだが、今日も胸元がガッパリ開いた服に超ミニのタイトスカートという格好である。娼婦としてスピカより何倍も先を行くプレアデスをスピカは見習わなければと思った。

「アハハッ!ホントに僕ってば今日はツイてるな〜!こんなに沢山の美女に囲まれてしまうなんて・・・僕のフェロモンがそうさせているのかな?」
「ウフフフッ。マクリス様ったら!相変わらずご冗談がお上手で・・・・」
「おやおや。冗談なんかじゃないんだよ〜?プレアデス君。僕はいつだって本音だよ!」
「どこまで本音だか信用しきれませんけどね〜。ほい!プレア。」

アルビレオはコーヒーを注ぎ込み、プレアデスに渡した。

「あっ。ありがと、アルビレオ!それで・・何であなたあんなに絶叫してたの?あなたっていっつもマクリス様と話してるとそうなるわよね〜?」
「しょーがないでしょーが。マクリス様が叫ばせるよーなコト言うから・・・・」
「アハハハッ!愛の遠吠えってヤツだね♪」
「んな言葉ある訳ないでしょがーーーーー!!!・・・とまぁ、こんな調子なのよ。ハァ〜〜ッ・・・」

アルビレオはがっくり肩を落とした。あっさりとマクリスにハメられたらしいコトが自分でも叫んだ後に気付いたらしい。マクリスはニンマリ笑顔を浮かべている。

「ウフフフフッ!キャハハハハッ!相変わらずあなた達ってば夫婦漫才展開してるわね〜。おっかし〜い!!ねぇねぇスピカも!面白いと思わな〜い?」
「えっ?あ・・えぇ〜っと、その・・はい・・・」

まさかプレアデスも来ると思ってもいなかったスピカにとって、この状況はちょっと気まずかった。いや、アルビレオとマクリスは良いのだが・・問題はプレアデスなのである。
レグルスに多大に想いを寄せているプレアデスの前で、レグルスのことについて相談するというのは、スピカには出来ないことだった。このままここにいるのは耐えられない・・・・スピカはおもむろに立ち上がった。

「あれ?どったのスピカちゅわ〜ん。おトイレ?」
「あ、い、いえ、その・・・わ、私・・もう行きます・・・」
「えぇっ?行ってしまうのかい?スピカ君。僕・・寂しいな〜。」

マクリスは驚いてそう言った。スピカを見たアルビレオも最初は驚いたものの、すぐに自身も立ち上がった。

「あぁ〜・・・ん〜。ちょ〜っとマクリス様とプレアはここにいてくれないかな〜?あたしは、スピカちゃんお部屋まで送るわ♪」
「?アルビレオさん?」

すかさずアルビレオはスピカの手を取った。

「さ〜ぁ!!お姉様とおててつないで行きましょっか〜!!んじゃ、お留守番よろしくね〜!!」
「えぇっ!?ちょっと・・いきなり何なのよ〜、アルビレオ!」

プレアデスも驚いて少し慌てている。

「んまぁ気にしない気にしな〜い。すぐに戻るから!んじゃね〜!」
「あ、あの・・マクリス様、プレアデス様。また・・・」
「ん?あぁ、別れたくはないけれど・・チャオ〜!!スピカく〜ん!!」
「・・またね、スピカ。」

そうしてアルビレオとスピカは共に部屋を出た。廊下に出てからアルビレオはスピカにウインクしてみせた。

「んじゃ、詳しいコトはスピカちゃんのお部屋でお話しよっか!」
「あ・・は、はい・・・その、すみません、アルビレオさん・・・・」
「いいのいいの!!マクリス様もプレアも遊びに来ただけなんだから、どうってコトないって!それこそあの2人だって仲イイんだからさ、うま〜く時間潰す筈よ!」
「あ。は、はい・・・」


  

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